スカウトなのかヒモなのか詐欺師なのか、よくわからなかった時期。以前の彼女が内緒でAVに出演したショックを、未だに振り切れないでいた自分だった。ショックを振り切ろうと、同じ女だという理由があっただけで、次に親しくなった女の子から金を取ったりした自分だった。
はじめて街で声をかけたとき
スカウトをはじめたときは無職だった。きっかけは同棲していた彼女が内緒でAVに出演したことだった。
はじめてAVのスカウトできたとき
AVのスカウトはうまくいかなかった。街中で声をかけてAVに出てもいいなんていう女のコなどいるのか?
はじめて風俗に入店させたとき
スカウトマンとはいっても、そもそも女の子のことがよくわかってなかった。打たれ強いことだけがとりえの自分は、声をかけて白い目を向けられても数をこなせることはできた。風俗店へのスカウトは随分とあっさりだった。
新しい彼女ができたようだった
スカウトとは関係ないところで新しい彼女ができたようだった。かわいいとは思ったが大事にしようという気はなかったかもしれない。別れた前の彼女のわだかまりがあって、次の彼女には同じ女だという理由で報復してやりたい気持ちがどこかにあった。
無言のまま彼女と風俗店の面接に向かって
仮にも自分に好意を持ってくれている女性を、とまどいもなく風俗で働かせることができる男っているのだろうか?
彼女を風俗で働かせてから
3ヶ月だけ風俗をするという約束の期限が近づいていた。しかし彼女が稼いでくる現金に魅力が伴ってきていた。
夏の日の渋谷での出来事
渋谷の109の交差点でスカウトした彼女。AVプロダクション記入した登録用紙には勤務先は都市銀行の支店となっている。無防備というか世間知らずだと思った。
説得と言い訳と風俗
AVプロダクションに所属した翌日に「やっぱやめたいです」と電話が。やめるのは自由だが彼女にぶつけてみたいことがあった。
「男の人がなんだか怖かった。ずっと怖かった」
セックスの経験が少ない彼女は男本位のセックスに忠実だった。ベットに突き飛ばしてもなすがまま。「中に出す!」といってもうなずくのみ。
栗田玲子、36歳
彼女は子持ちの主婦。声をかけたのは新宿駅東口。話をしたときに「なんとかなるんじゃないか」と感じた。自分なりの根拠はあった。
スカウトマンというより、ただの詐欺師
スカウトマンというより詐欺師だった。年上で家庭の主婦をしている彼女からお金をとる方法ばかり考えていた。ホテルには連れ込めた。だけどお金の話までは持っていけない。ヒントは彼女が口にした「居場所」だった。
詐欺師の手口とは?
お金を取るまでは詐欺師は下手に出る。いったん受け取れば手の平返し。それでも2度目3度目は取りやすくなる。コツとしては1度目の金額。あきらめがつく金額だと「騙された」で終わりになってしまう。あきらめがつかない金額だから、2度目、3度目と取れる。