山本しずか、20歳の風俗嬢、ナンパハメ撮りをしてみて


編集プロダクションの企画でトビが連発

イタリアントマト新宿東口店
アルタ裏のイタリアントマト新宿店

日曜日の昼頃。
イタトマでお茶をしていたとき。
電話があったのは、編集プロダクションの辻本。

「田中さん、いまどこですか?」
「新宿ですよ」
「実は頼みがあって」
「なんです?」
「女のコが3人飛んじゃったんですよ」

編集プロダクションとは企画を出版社に持ち込んだり、出版社から企画を任されたりしている。

略して編プロ。
ここの編プロは、ナンパ撮り、投稿物をやっている。
成人誌のよくある特集だ。

普通の読者が、エッチしてる写真を撮って投稿しましたとか。

凄腕のナンパ師が、道行く女のコに声をかけてヌードを撮らせてもらいましたとか。

そういう企画をして、撮影して、編集して、出版社に売っている。

編プロが、カメラマンと女のコの時間を調整して撮影日を決める。

1日に10人くらい撮る。
しかし、ギャラが安くこまかな仕事になるので、AVプロダクションで受けるところがあまりない。

それに毎回、違う女のコを撮らなければならないため苦労してるみたいだ。

当日は、女のコが10人とも全員が時間通りに来るわけではない。

うまくいかない時が多い。
だからといって別の日にも、そうそうできない。

編集の進行の都合もあるし、カメラマンの都合もあったり。

どうしても当日に終らせなければならない。
辻本があせっているのがわかった。

「今回の事務所が、差し替えがむずかしい状態なんですよ」
「うーん、今すぐですよね」
「暗くなるまでに、なんとか、なんとかお願いできないですか?」
「そうですか。それじゃ、知ってる女のコに電話してみるので少し時間ください。でもまだ呼べるかどうかわからないので、辻本さんも引き続き他を当たってもらえますか?」
「ええ、こちらも当たってみます」
「それでもし、辻本さんのほうでいたら電話くれませんか?」
「その場合は電話します」
「いずれにしても10分後に折り返します」
「お願いします」
「じゃ、後ほど」

以前も1回同じことがあったので条件はわかってる。
内容はナンパ撮りでムネ出し、ヘア出し程度。

場所はこの辺の雑居ビルの階段。
時間は20分で終了。

ギャラは2万円で、入れ込んだ時点での支払われる。
自分はその半分の1万を女のコに渡すつもり。

手帳をめくりながら電話してく。

その際、AVプロダクションに所属させたコは、直接連絡して動かすことは、スカウトのルール違反になる。
どうしてもの場合は、そこの社長を通す。

だからスカウトしてまだ所属させてないコか、AVプロダクションを辞めたコがいいだろう。

エロ本のナンパ撮りのギャラは1万円で

9人電話して5人はルス電になった。
4人は断りだった。

10人目は歌舞伎町のヘルスに在籍してる女のコにかけてみた。

名前は山本しずか。
彼女は前にAVプロダクションに所属して、2回ほど撮影したが続かなかった。

理由はわかってる。
AVは撮影当日は朝早い。

それ以外に、関係先との打合せや担当者との電話のやり取りが多い。

そして、当日のドタキャンは厳禁になる。
風俗で稼いでいる彼女は、店に比べて面倒だといっていた。

しかし、彼女は性格は素直な感じでいいコだった印象がある。

このコは大丈夫かな。

「とんでもないお願いしていい?」
「な、なんですか?」
「今、新宿でナンパ撮りやっていて」
「ナンパ撮り?」
「そう、20分もかからないからお願い!頼むよ!」
「うーん、・・・なにやるんですか?」
「街で声かけましたという設定でムネ出し、ヘア出しまで。ギャラは1万円」
「エー」
「コンビニでは販売してない。書店売りの雑誌だから、今までバレはない」
「ウーン」
「今何してるの?」
「洗濯してる」
「ごめんね、突然。洗濯の続きは明日だね。店は何時から?」
「5時から」
「少し早めに新宿に来てそれから店に行けば間に合うでしょ?」
「今すぐはいけないよ。まだ支度してないから」
「じゃ、待ってるからさ、ウチ出るときに電話ちょうだい」
「うん」
「今度埋め合わせするから」
「うん」
「助かったよ。1時間くらいで支度は終る?」
「うん。そのくらい」

どうやら大丈夫だ。
これで辻本に電話して状況伝える。

それで、彼女から「これからウチ出る」と連絡があれば決まりになる。

もし1時間経って彼女と連絡とれなかったら、気が変わったということになる。
次を探なくてはならない。

辻本に電話をした。

「どーも、田中です」
「どうですか?」
「まだ約束はできないですけど、後1時間くらいでウチを出れるというコがいますよ。辻本さんの方はどうですか?」
「あと2人は必要ですね」
「ほかの事務所はどうですか?」
「今日は日曜日だから、事務所が閉まってるんですよね。そのコ確実ですか?」
「自分は大丈夫だと思ってます。ウチ出るときに電話するようにいってるので、1時間程したら確実かどうかわかります。今、約束して万一来なかったら辻本さんに迷惑かけるんで」
「そうですか。それでもそのコお願いできますか」
「ええ。あとで確認の連絡をいれます」

AVプロダクションに所属してるコは、ある程度のプロ意識が必要になる。

現場をとばしたら皆に迷惑かけることになる。
謝って済む場合と、大掛かりな現場は賠償しなければならない場合もある。

だから、AVプロダクションも気安くは受ける事はできない。

今回の撮りはギャラもAVに比べて安いし細かな仕事なので、逆にAVプロダクションはやりたがらない。

辻本のお願いで、渋々どこかのAVプロダクションが引き受けたのだろう。

その結果、3人もとんだのだろう。

彼女だって急に『用事できたんで』といいかねないな、と気を揉んでいると『今、ウチでたところ』と連絡があり、1時間経たないうちに新宿についた。

いらない心配をしてしまった。
イタトマでカメラマンと待っていた辻本と合流すると、ホッとしたのがわかった。

ナンパ撮りのシチュエーション

辻本から店の隅でギャラ2万を受け取って、半分の1万を封筒にもどして、彼女に渡した。

これで入れ込みは終了だ。
これから女のコは撮影に入る。

頃合をみて「それじゃ・・」といいかけた。
辻本がさえぎるように言う。

「すみません、田中さん、またお願いがあるんですけど・・・」
「えっ、なんですか?」
「実はこれから僕、会社に取りに行かなくてはならないものがあって」
「ええ」
「すぐ来ますけど、その間に見張りお願いできませんか」
「見張りですか・・。いいですよ」

今回は、路上で「新しいウェットティッシュの試用をお願いします」と声かけ、「実際に使ってみてください」といって、近くの雑居ビルの階段おどり場で脱がせた、というシチュエーションで撮ってるとのことだった。

おどり場では、ムネ出しヘア出しになるので誰か来ないか見ていて欲しいとのことだった。

カメラマンは30代半ばのボーとしてる男だった。
場所を靖国通りに移す。

声をかけるカット、ウェットティッシュを渡すカット、実際使ってみてくれとお願いのカット、それぞれを何枚か撮る。

それから雑居ビルに移る。
区役所通りに面した8階建て雑居ビル。
最上階の会社が休みのため、人の出入りはない。

しかし、もし誰か階段を上がってきたら合図を送り、撮りは一旦中止にするという手はずにする。

おどり場についた。
カメラマンは大きなバックを降ろす。

カメラの電池を交換し、フラッシュのテストをする。
なんだか手つきがよく、生気がよびがえった感じだった。

そして、押し殺した声で撮り始めた。

「ハイ!、こっちむいて!」
カシャッ!

「エッ」
カシャッ! カシャッ!

「そう!、それでカベに手をつけて!」
カシャッ!

「こう?」
カシャッ!カシャッ!

「そう!」
カシャッ!カシャッ!

「それで足をこっちに!」
カシャ! カシャッ!

「こう?」
カシャッ!

「そう!」
カシャッ!

「それでボタンはずして!」
カシャッ!

「エッ、こう?」
カシャッ! カシャッ!

「そうそう!ブラが少し見える感じに!」
カシャ!

「こう?」
カシャッ! カシャッ!

「OK!」
カシャッ!

「だれに似てるっていわれる?」
カシャッ!

「エッ、ハムスターかな?」
カシャッ!

「にてる!そっくり!」
カシャ! カシャッ!

「えー」
カシャッ!

「そのまま!」
カシャッ!カシャ!

カメラマンは接近したり、寝転がったり、片ヒザついたり。

さっきまでボーとしていたのが別人みたいになった。
あー、やっぱプロだな。

そのうちヘア出しどころか、しずかは全裸になった。
そんな調子でポーズも過激になった。

彼女からクレームはない。
30分ほどで終了した。

しかし、ささやきながらながら撮るのがいい。
それと、人が来たらどうしようというドキドキ感からハアハアしてしまった。

そういえば以前、ホテルのトイレで主婦とセックスしたことがあるがすごくハアハアした。

「誰か来たらどうするんだ! 声を出すな」とかいって。

この主婦とは、変わった場所でセックスをよくした。
ファミレスの駐車場とかマンションの非常階段の一番上とか、エレベーターのなかでフェラチオさせたり。

たしか、こんなヒソヒソ声で「今誰か見てたぞ!」とかいって。

興奮しすぎて海綿体がビチビチとしたのがわかった。
なぜだろう。
露出の気があるのか。

このまえ、顔見知りの女のコから「今日ヘンタイに付きまとわれたの」と愚痴られたことがある。

なんでも駅で声をかけられ、「1000円で僕のオナニーを見てくれませんか?」と付きまとわれたらしい。

内心「このコだったらオレも見て欲しいな、わかる、わかる」と思ったが「わけわからないねー」と答えといた。

露出の気があるのだろう。
自分は風俗は基本的にいかないが、ピンサロはいく。

それもよく考えてみると、露出するのがいいのだろう。
個室プレーだったら多分いかないかも。

とにかく、このナンパ撮りを見て、自分もハメ撮りに挑戦してみようかという気がおきてきた。

自腹を切って撮ってみるか。

ハメ撮りの買取り価格は2万円から20万円

ハメ撮りに挑戦してみるにあたって、辻本に打診した。

60分テープ2本とスナップ写真をフィルム1本つけ、持ってきてくれれば買取るとのことだった。

内容にもよるが、買取り価格は2万円から20万円だという。

ナンパやテレクラ等、そこに至るまでのシチュエーションも大事だといっていた。

また、しずかに頼んでみた。

「それでさ、今週休みいつ?」
「なんで?」
「なんていうのかな、オレの仕事手伝って欲しい。ギャラ●(円)だから」
「エッ何?」
「簡単なビデオ撮り」
「ビデオはちょっと」
「売り物じゃない。サンプルみたいに撮るだけ。オレがね」
「うーん」
「頼むよ。一応水曜日予定してるけど」
「うーん」
「じゃあ、木曜日ね。もし、都合が悪くなれば電話ちょうだい」
「・・・うん。わかった」

当日は、新宿駅東口交番前で待ち合わせした。

時間通りにきた彼女。
辻本から借りたビデオカメラを片手に、歌舞伎町2丁目へ向かう。

移動しながら、ナンパ撮りという設定で声をかけるシーンを撮る。

なぜか2人ともおかしくて笑ってしまう。
なんとか撮れたが声をかけるシーンがお互いなにかぎこちない。

仕方ない。
素人カップル投稿ということににしようか。
スナップを撮ってホテルへ。

『ホントにするの?』と、しずかはなんだか照れていた。

実は自分も少し照れていたのだが、仕事だというスタンスをくずしてはいけない。

ライトを付けて、しずかのカラオケシーンを撮る。
『ちょっと脱ごうか』と脱ぎシーンを撮る。
お互いシャワーを浴びた。

自分はメモを取り出す。
思いっきりスケベな映像を撮りたいと考えて、こんなのを撮ろうと思い付くままを書きとめたメモだ。

「フェラして」
撮り。

「もう少しこっち向いて」
撮り。

「視線をこっちに」
撮り。

「ジュル、ジュルって音をたてて」
撮り。

「カメラの位置が悪いのかな」
撮り。

「こう持ったらいいのかな」
撮り。

「ハイ、撮るよ」
撮り。

「その目が、スケベだね」
撮り。

「うわー、エッチ」
撮り。

「ちょっと、休憩しよ」
「うん」

全盛期の村西監督みたいになってきた。
青少年の時にイレブンPMで彼を見て『変態オヤジが!』と血気盛んに憤っていたことを思い出す。

まさか自分が、そんなことをハアハアいいながらするようになるとは考えてもいなかった。

なにしろカメラを扱うのが慣れていないので、思ったようにうまくいかない。

60分テープ2本の予定だったが、時間がもたない。

「はい、撮るよ。またフェラして」
撮り。

「チンコ好きっていってみて」
「チンコ好き」
撮り。

「玉でかーいっていってみて」
「ホントでかいね」
「でしょう」
「こんなにでかいのはじめて」
「もう1回いって」
「こんなデカイのはじめて~」
撮り。

「玉ひっぱってみて」
「エッ」
撮り。

「うれしそうな表情でチンコしごいてみて」
「こう?」
「そうそう、そんな感じ」
撮り。

最終的にカメラを固定して、しずかとのセックスをひたすら続ける。

が、なんだか落ち付かない。
人に見せるセックスってまた違うなという気がした。

カメラを回しっぱなしで120分おわる。

自作のナンパハメ撮りで愕然とする

これから店に行く彼女とは、東口で別れた。

帰り道、考えているよりなかなか大変だなと実感した。

ウチに帰ってから、早速テレビにカメラを接続してスイッチを入れる。

おー、はじまったと、ちょっとうれしいが、画面を見て「エッ、これは・・・」と、がく然としてしまう。

モニターでは気がつかなかったが、カメラを通して画面に映った自分の体がまるっきり“ オヤジ ”なのだ。

ムネから下しか映ってないのだが、腹からケツ、ふとももと“薄汚いオヤジ”というイメージがピッタリと当てはまる。

特に太ってるからというわけではない。
中肉中背なのだが、体型がオヤジなのだ。

細いラインのしずかと重なるシーンがオヤジの醜さをよく引き出している。

まるで豚だ。
ある意味グロテスクだった。

自分が想像していた“ ナンパハメ撮り ”とか“ カップル投稿 ”というイメージではない。

“ 実録!援助交際 ”とした方がしっくりくる。
しかも、やたら言葉責めが多い。

「チンポ~って叫べ!」とか「きもちいい~っていえ!」とか。

そういえば自分は、セックスするとき言葉責めが多い。

あの智子でいえば。
15年間、浮気ゼロの奥さんだったし、男性経験も数えるほどしかなく、バイブも使ったことがなかった。

スカトロの意味を知らなくて、教えるとビックリしていた。

それがセックスのときは「ドスケベ智子!」とか「セックス好きっていえ!」「私はスケベですっていえ!」となっている。

そうして考えてみると、自分の性癖は露出プレー、言葉責めプレー、複数プレーと結構幅が広いなと実感した。

それでも、みてるうちにハアハアしてきた。
思わずオナニーを2回してしまった。

ハマッってしまいそうだ。
撮りたい物がいろいろある。

しかし、慣れるまで手間がかかるしそれほど稼ぎにならない。

趣味になってしまいそうだ。
やっぱりスカウトするか。
テープはテレビ台に納まった。

で、しばらく経ったころ。
ヒロシとメシを食べていた。

「田中さん、ハメ撮りテープ見せてくださいよ」
「あれか。・・・失敗だよ」
「なんだ、すごいの撮るっていっていたのに。もうしないんですか?」
「奥が深くて。とても、片手間でできないね」
「そうですか」
「それにここ最近イクと尿道が痛くてあれから全然してないからね」
「エッ、尿道ですか?」
「うん。オナニーのしすぎかもしれない」
「それって、たぶん淋病ですよ」
「エッ、淋病?」
「アッハッハ、早く病院いったほうがいいですよ」
「エッ」
「そのうちウミでてきますよ、アッハッハ」
「エッ」
「その女に移されたんですよ」
「そうか・・」
「たくっ、オレ誘わないからそうなるんですよ、アッハッハ」
「・・・ウケ過ぎだ、コノヤロ」
「だっせー、淋病だって、アッハッハ」
「・・・」

– 2002.12.21 up –