風俗店の経営は儲かるって本当か?


違法風俗店は税金の申告をしない

風俗店の経営の収支とは、どういうものなのか?
大前提として、違法営業の税金の申告をしない個人商店なので、経理といった勘定は存在しない。[編者註27-1]

それと摘発に備えて帳簿の類は作らない。
すべて頭の中に入れる。

簡単なことが第一だったが、どんぶり勘定はしていなかった。

毎日、欠かさずに伝票と現金を合わせていた。
まずは月間の経費はいくらかかるのか?

4つの項目を計上していた。

経費の計算
月間経費は約650万

大きなものから順に、人件費、広告費、家賃光熱、備品。

人件費が計260万。
広告費が計187万5500円。
家賃光熱が計173万。
備品が計30万。

これらを合計すると、月間経費は650万5500円。
けっこう無駄を省いての650万だ。

年間を通しても変動しないため、ほとんど固定経費となっていて、前後しても幅は1割未満。

月間経費の内訳

まずは人件費の内訳。

従業員給与として、田中90万、竹山と村井がそれぞれ50万、小泉が40万。
田中が多いのは、名義料が30万含まれているからである。

スカウトバックは人件費とはいえないが、わかりやすくこの項目に含めて30万を枠として計上。
計260万円。

次に家賃光熱の内訳。
家賃が140万。

3度ほど私的に転貸されているため、都内の家賃相場の倍ほどに割高となっているのは確かだった。

水道光熱が約30万。
ガス代と水道代を合わせて約15万。
ユニットシャワーが2基あるためだ。

電気代もけっこうかかる。
エアコンが6台フル稼働しているので、冬場で8万、夏場で10万を超える。

ミカジメの3万は水道光熱ではないが、最初から物件にくっついてきてる性質のものなので、わかりやすくここに含める。
計173万円。

広告費の内訳。
ここでの多くの支払いは、チケセンのパネル代。
8店舗との契約の合計が、消費税込み150万8千円。

それに高収入求人誌が、月に2回掲載の両面見開きで、消費税込み36万75000円。
計187万5500円。

備品の30万の内訳

備品で最もかかるのがバスタオル代。
毎日60枚は取り替えて、毎日の集配があって、月に15万。

もちろんリネン業者への支払いだが、ひと昔前の漫画にあるようなミカジメ込みの暴力団直営の業者など存在しないので、品質も価格も適正と思われる。

次に衛生用品が5万。
ボディーソープ、イソジン、グリンス、使い捨て歯ブラシといったもの。

これらは風俗店専用の通販で業務用を購入。
サイズが大きくて、ロットも多くて、それぞれの単価は2000円から8000円程度。

そのなかで最も高価なのはグリンスで、原液ボトルが8000円で月に2回は購入する。

コンドームだけは、歌舞伎町のドラッグストアのほうが種類も豊富で品質も価格も見合っていた。

ヘルスではコンドームは基本は使わないものなので、なくなりかけたら走って買いにいく。

次にプレイ用品が5万。
ローションもそうだし、女の子が使うタイマーもあるし、オプションで使うピンクローターやおみやげパンティーやストッキングといったもの。

最もかかるものではローションで、原液ボトル3800円で週に1個は必要になる。

ピンクローターは一番にオプションで出るし、壊れやすく汚れやすくもある。

予備は20個は置いておかないとなので、1個198円のものを度々購入していた。

歌舞伎町にある大人のおもちゃ屋や、ドンキホーテのアダルトグッズコーナーも確めたが、1個198円が最安だった。

一方で電動バイブはすごく頑丈な作りをしていて、驚くほどものすごく頑丈で、滅多に壊れることがない。

それに電動バイブのオプションがOKの女の子は半数もいないので、常用が3本に予備も1本あればよかった。

おみやげパンティーやストッキングは100円均一で購入。

パンティーについては色や柄やサイズや素材や形状をしっかりと吟味。

ストッキングについては色とデニールを確めて、それらをカゴ一杯に買い漁ってくる。
慣れるとけっこう気持ちいいものだった。

乾電池は100円均一だとあっという間に切れてしまう。
電動バイブなど5分もすれば動きが弱まってきて、お客さんががっかりしていたと女の子からクレームがきたりもした。

ビックカメラでも購入してみたが、ドンキホーテで売っている乾電池が値段が安くてパワーが良かった。

タイマーは100円均一のキッチンタイマーだとすぐに壊れるので、600円の風俗店専用のタイマーを購入。

コスパがいいなんてことは考えてないが、細々した用品については最良のものを揃えるようにはしていた。

そして、PCサプライ品が5万。
ほとんどが割引チケットの制作に使うプリンターインクとA4光沢紙。

これらは新宿駅東口のビックカメラで購入。
ヨドバシカメラではなく、ビックカメラだ。

なぜかオーナーも村井も竹山も、偶然に自分もだったが、熱烈なビックカメラ派だった。

ともかく、備品は計30万円となる。

店落ち=客単価×客数

売上とは、本来は客から領収した金額をいう。

しかし風俗店では、客からの領収金額から女子給を引いた数字である『店落ち』を売上扱いにしていた。

『店落ち』は歌舞伎町の風俗店で共通しているしている用語のようだった。

女子給はその日のうちに支払うので、最初からないものとして『店落ち』で締めをしたほうが簡潔になる。

そのため、本来の売上がいくらなのかは把握してなかったが不都合はなかった。

店落ちは、客単価かける入客数で計算したほうがわかりやすいので、ここではそうする。

客単価とは、1人あたりの店落ち。
45分コース総額15000円だとすると、女子給の6500円を引いた残りの8500円が客単価となる。

実際は雑費を引くし、60分コースがあったり延長もあったりするので、客単価は8500円を切ると安い、9000円を超えると高いというのが目安だ。

月間の平均は、8700円とする。
これに入客数をかけると店落ちとなる。

25日の給料日あとの週末が差しかかっている段階で、エクセルのシートで出されている月間予想総入客数は1122名。

予想月間店落ちは、976万1400円となる。

営業を続けていくに従って女の子のシフトも固まってきて、そうすると来店客も取り込めて、店落ちも上がってきていた。

この分だと、6月はボーナス時期でもあるし、月間店落ち900万をきることはないのが予想できた。

目標の月間店落ちは、900万から1000万に上げようかとも村井と話しもしたが、1000万円は超えそうで超えない数字だった。

違法風俗店オーナーの収入は月に300万を超える

5月の店落ちの976万1400円から経費の650万5500円を引くと、325万余りがオーナーの収入となる。

税金は払わない現金が、そっくりそのままオーナーの収入となる。

年間を通じると、6月と12月のボーナス期もあるし年末年始の掻き入れどきもあるので、平均すると月350万は超えるかもしれない。

年間の収入となると、4000万は超えるのではないか。
リスクとしては、やはり摘発だ。

逮捕された名義人への慰労金。
閉めている間の空家賃。

再オープンにはチケセンに前払いする広告費。
女の子を揃えるために求人誌の前払いの広告費。

皆への飲み食いだってバカにならない。
そういった資金がオーナー負担となる。

最低でも半年は営業しなければならない理由はそこにあったが、今回はすでに回収できたようでもある。

オーナーはそれだけの収入があるにもかかわらず、レンズが焼けたような眼鏡をかけて、洗濯をしすぎて衿がよれたポロシャツを着ている。

使い古したナイロンのバッグを下げて、大田区の自宅から電車を乗り継いで歌舞伎町に来ていた。

身なりについては、自分のほうがオーナーよりいいくらいだった。

しかし、決してオーナーはケチではなく、倹約をしているのではない。

不要不急な出費は控えて、支払いに見合う価値がないと判断するものには小額でも払わない、というのが身についているのだった。

オーナーの立ち位置

オーナーは3日に1度は歌舞伎町に来る。

だいたい15時くらいに店に来て、店落ちの現金が入った封筒を3日分受け取る。

おおよそ100万に近い現金が入っているが、確めることなく「うん」とだけ言ってバッグに放りこむ。
ねぎらいの言葉もないのだが、悪い気は全くしない。

しっかり者のオーナーに金を預けている感覚で、そうしておけば間違いがないという気しかなかった。

もし摘発されたときは、オーナーさえ無事だったら店は存続する。

まずはオーナーは堅実だった。

「ゴールドラッシュがあったとしても金を掘りにいくのではなくて、掘りにいく人たちにスコップを売る商売をしたい」ともオーナーは話していた。

仕事の意欲を煽ったりすることもない。
どこかできいたことがあるような、耳によくて体裁がいい話もすることがない。

「経営者と従業員の考えは相反する」ともオーナーは話す。
経営者は少ない給料で働いてほしい、従業員は多い給料で楽に働きたい。

従業員に経営者目線になれといっても、従業員はもっと働かせようとする経営者の意図を見抜く。

以上のような考えがあるからか、オーナーは現場のことは現場に任せていた。

指示したり、課題を掲げたりもしなくて「売上が増えれば、給料は全員で一律に上げる」という一言があるくらい。

話すことには体験と現実が含まれていて、すべてが独特さで一貫していた。

良き引率者というのが、オーナーの立ち位置だったかもしれない。

日々の現場の雑事から離れたところで皆を引率していて、皆もよく従った。

そのような立ち位置だったので、店にきてからのオーナーの仕事らしい仕事といえばサービスチェックくらいだった。

しかも感想はあてにならない。
オーナーとしてではなく、客目線でどうだったのかというのが常だった。

客のような振る舞いでもあったが、それはオーナーとして違和感はなかった。

その日、サービスチェックをする在籍が特にいないと知ると「ちょっとシャワーを浴びたいな」とつぶやいて、客が途切れたところで「ミサキで本指で入りたい」と言い出したオーナーだった。

サービスチェックは店の経費で行なう。
入客数にはカウントせずの店落ちなしで、発生する女子給を経費とするのだ。

質を保つためにサービスチェックは必要だからそれでいいのだが、オススメとなってる女の子をサービスチェックの扱いにすると、他の客の店落ちを逃してしまう。

オーナーの強権でそうすればいいだけのことだけど、現場としては1人でも入れたい気持ちがある。

だからか、こういうときにはオーナーは正規の会員料金を払って入るのだった。

オーナーだからといってなんでもありではない、と公私混同してるようでいて現場の気持ちを優先していた。
そういうところはしっかりしていた。

ミサキを本指名したオーナーが、プレイを終えたときは17時前。

「2人とも早番が終わったら、うな鉄で晩酌に付き合ってください」と言い残して店を出ていった。

飲みには打ち合わせという名目がついていたが、ここのところは、ただの晩酌となっている。

同じことの繰り返しの風俗店では、打ち合わせをするほどの用件も少なくなるのだった。

17時30分になると、彼女に電話しながらの村井と《 うな鉄 》に向かった。

村井は瓶ビールをコップ1杯飲んだだけで真っ赤になり、やがて眠そうになり、彼女から催促があったのか「明日に差し支えるので帰ります・・・」と帰宅した。

オーナーの素性

オーナーの素性は、飲みながら次第に明らかになっていく。

自分としては、オーナーの身辺をさほど知るつもりはなかった。

知っているとなれば、もし摘発された際にオーナーが逮捕されれば、名義人としての守秘の保持が疑われかねない。

知らないことが確実なのだ。
自分でいうのもなんだけど真面目でもあったし、正々堂々と名義人をやりたかった。

オーナーのほうも話すつもりはなかっただろうけど、酒を飲んでいるうちに面白おかしくついつい話したという風だった。

なんにしても、オーナーの素性である。

風俗で月に300万を超える収入があるが、あくまでも風俗は副業だった。

本業は工場経営者。
本人はエンジニアを自負している。
酔うと零細泡沫の製造業の社長を自認する。

工場とはいっても下請けの町工場で、5年前の貸し渋りの時期に仕事の受注ができなくなって、7人いた従業員はゼロとなり操業は止まっている。

「倒産とは負債が1000万以上のことをいうから、私の場合はただの廃業です」と寂しそうではある。

今は週に4日、奥さんと2人で工作機械を回してパチンコの基盤を下請けで製造している。

こんな風俗店のオーナーがほかにいるだろうか?

前オーナーから、風俗店を譲られた経緯も面白い。
地元大田区の工業高校の先輩後輩の関係だったからというのが元にあるが、そこにはロック繋がりがある。

現在の町工場の社長といった老眼鏡のオーナーからは想像つかないが、30年以上も前はロック青年だったらしい。

ロックといってもいろいろある。
以前に飲んだとき、どんなロックかと訊いてみたらフォークロックという。

あまりの古臭さに笑いそうになるのを堪えて「渋いですね」と詳しくきくと、好きな歌手として岡林信康の名前が出てきた。

世代が大きく異なるので、どんな歌手かは全くわからないが、代表曲の『山谷ブルース』のタイトルは知識として知っている。

土方の歌で、たしか『俺たちがいないと道路も橋もできないんだぞ』という歌詞の一部は、土方をしていた頃に耳にしたことがある。

「たしか岡林信康って、山谷ブルースうたった人ですね」
「ああ、よく知ってるね!」
「あと、人間なんてラララーララララーラーって絶叫しつづけた伝説のライブとか」
「それは拓郎だ!」
「拓郎って、吉田拓郎ですか?」
「そう、第3回のフォークジャンボリーだ!私、いったんだよ!岐阜でさ、私もいたんだよ!」[編者註27-2]

オーナーは興奮を隠さない。

岡林信康や吉田拓郎の良さなど全くわからないどころか、むしろ好きになれない雰囲気がぷんぷんするが、そこはサービス精神で「人間なんてラララーララララーラーなんて、しびれますね」と頷いていた。

するとオーナーは気をよくしたのか、当時は自身で作詞作曲もしていたと明かした。

タイトルは『俺のふるさとを返せ』。
子供の頃に遊んでいた大田区の海岸沿いの野原が、大企業の倉庫群の建設で見る影もなくなったのを嘆いた曲だそうだ。

この爆笑したい面白さが伝わるだろうか?

決して自称シンガーソングライターのオーナーをバカにしているのはない。
今の姿からは想像がつかない衝撃で笑ってしまうのだ。

話が反れた。

とにかくも、オーナーの原型には反社会秩序が少なからずあるようで、店の収入の額よりも、税金を一切払わない現金を得ることのほうが愉快らしい。

B型とB型

酔ったときのオーナーの話はとりとめがなく、製造業について語ることも多い。

昭和の秋葉原のラジオデパートで買ってきた電子部品をハンダ付けしていた少年期から今まで、50年ほど厭きずにものづくりをしてるのだ。

それほど熱中できる仕事があって、そこは聞いているだけでうらやましいほどだった。

製造業では、製品は機械がつくる。
その機械をつくるのがエンジニア。

その機械をつくる、そのまた機械をつくるのがエンジニアとしての最高の仕事なんです、と工場再建の夢も語る。

酒が進むと製造業とはなんたるかも語る。

1000の製品を均一に同等につくりあげる技術が、製造業では素晴らしいこととされる。

でも風俗のサービスというものは、ひとつとして均一に同等にとはならない。

エンジニアとしては、均一に同等となる技術がないのがむずがゆいところです、と製造業の現場から風俗に話が飛ぶ。

さらに自分が話を飛ばす。
話が飛ぶというのは、B型とB型の会話の特徴である。

「そういけば、客が混んでいるときって」
「うん」
「人感チャイムが連続してピンポンピンポン鳴るのが耳障りなので、あれ、何かならないかなといつも思いますね」
「まず、回路を書かないといけない」

繰り返すが、B型同士の会話は飛ぶのだ。

特に酒を飲んでいるときはもっと話が飛ぶのだが、この2人は風俗店における技術について真面目に話し合ってるつもりである。

オーナーはとバッグからメモ用紙を取り出して、ここにコンデンサーが、ここにセンサーが、弱電が、抵抗がと、回路図が止まらない。

老眼のため眼鏡を鼻の頭にずらして、酒で赤くなった顔で、楽しそうに回路を書いている。

自分には回路は全くわからないが、オーナーは根っから電気とか機械とか部品が好きなのだな、とは伝わってくる。

性癖と人格

もちろん、飲んでいるときには店についての話も度々する。

とはいっても、サービスチェックで入った女の子の、おっぱいの大きさや形だとか乳首の色とか、お尻やお腹や太腿の肉感だったり。

あとはクリトリスをいじったときの感度だったり声だったり、フェラテクについてだったりという、酒を飲みながらだと楽しい話になってしまうのだった。

「ミサキ、どうでした?」
「ああ、あの顔で、あの体っていうアンバランスがいい・・・」
「あのコ、ケツ、よくないですか?」
「ああ、ケツいい、ケツいいよ・・・」
「オレ、ああいうケツ好きなんです」
「私ぐらいの年になると、あの、いい子感がいい」
「いい子感ありますね」
「ああ、人様が手塩にかけて大切に育てた娘さんにヌいてもらえるなんて・・・」

詳しくは訊かないが、今までの飛びまくりの話を繋ぎ合わせると、オーナーには娘が3人いる。

上は20代半ばで、下は20代前半。
それぞれと仲がいいというわけでないらしい。

その分、娘と在籍の女の子を重ね合わせて接しているようでもある。

性癖としては一般的には悪趣味であるが、風俗店に持ち込まれる性癖はその類がほとんどでもある。

ともかくも、娘とは仲がいいというわけではないらしい。

「やっぱり、娘さんとは洗濯物は分けるんですか?」
「当然です。手を洗う石鹸だってそうですよ。同じだと嫌がるんですよね。私の石鹸だけ見えないところに置いてありますよ」
「うわ、徹底してますね」
「歯ブラシも見えないところに置くようになってます」
「まさか、無視されてるんですか?」
「んん・・・、無視されるとかじゃなくって、なんていうのか・・・」
「・・・」
「そうだ、ただの汚物あつかいですね、うん、私は汚物としてちゃんと意識してくれてますよ、無視はされてない」

上の2人は就職していて、末の娘が大学生。

長女は、NTTでシステム開発者をしているという。
次女は、営団地下鉄で運行の技術者をしているという。

2人の娘もかなりのエンジニアなのだが、そこは喜ばしくはないようである。

「女のエンジニアなんてわびしいものです」
「いや、なんか、かっこいいですよ」
「あれは、まだ処女だな・・・」
「そんなことないですよ。いまどき」
「娘も風俗嬢やらないかなぁ」
「ええ!」
「できそうだけどなぁ・・・」
「だって、そんな、いいとこに勤めてるんだったら、やる必要ないじゃないですか!」
「まあでも、娘が風俗やるときは、田中君に講習してもらおうかな、はははは」
「ええ!」

娘を持つ全ての男は、娘にだけは潔癖だと思っていたが、そうでもない人もいるのだ。

自分の娘だけは別・・・という言い方は並みの人かもしれない。

冗談にしても、娘を風俗になどとは鬼畜だと非難されるが、自分にとっては風俗店のオーナーはこうでなければと少しの感動すらある。

風俗嬢というものを特別視してもない。
好きでもあるのだ。

店の女の子にはオーナーとこそ明かないが、目線は優しく、風俗嬢だと一線を引いたり見下したりする言動は一切なかった。

風俗店のオーナーになるには?

1年やれば4000万あまりの手取りの収入を得ることができるのなら、オーナーとして風俗店をやりたいという者は大勢いる。

資金があれば、やることは難しくはない。
人間がいればできる。

優秀でもなくてもいい。
誰か信用できる人間を、店長なり番頭にすればいいのだ。

でも、ちょっと待て言いたい。

誰かとは誰か。
一言で説明できるそこの部分が、一番に難しいところである。

身元も確かではないし、経歴もよくないのは明らかで、仕事の出来具合を担保できるものもない人間が集まるのが風俗店だ。

そこをオーナーは、すんなりとまとめた。
簡単にやってのけた。
「メシを腹いっぱい食べさす」くらいの言葉で。

そんなすごいオーナーの店を問題なくやってのけている・・・という自負も自分にはあった。

– 2019.07.18 up –