AVにスカウトできる女性の特徴


スカウト通りのリズムとトランス

金曜日の午後だった。
夕方になれば、新宿の街路は通行人でごったがえす。

そこまで通行人が増えると、スカウトはやりずらくなる。
大判焼は食べ終えた。

「話は、また後にするか。今日、金曜日だし。夕方をすぎるとやりずらくなるぞ」
「じゃ、やるっすか?」
「やるか?」
「はい」

遠藤が訊いてきたのは、スカウトの勝負をしますか、という意味だろう。

今度は電話番号の交換ではなくて、見込みの女の子を先に見つけた者が勝ちとした。

勝負は30分を過ぎた。
谷口も少しは歩を進めていたが、勝負とまではならないほど。

しかし、今までは街路樹の傍らにひたすら立っているだだったから、そこから比べれば大きな1歩だ。

足を止めた女の子は、自分にも遠藤にもそれぞれ1人2人といたが、そこからはなんの進展もなく、全員が立ち去っていた。

女の子が立ち去るたびに、街路樹の根本に置いていたペットボトルの水を飲んで一息ついて、また目配せして歩を進める。

ウォーミングアップが終わったかのような、体の動きを止めたくない感覚だ。

1時間が過ぎた。
さらに足を止めた女の子が、それぞれ1人2人といたが、早々に立ち去っている。

スカウト通りに、週末の騒がしさが満ちてきた。
新宿駅から歌舞伎町に歩いてくる人々のほうが多勢となってきた。

スカウト通りは、駅側を高地として、わずかな坂道となっている。
新宿駅からの人々の歩調は押されて、自然と早めとなり、足音も大きめとなる。

次から次へと足早に迫ってくる。
一団の足音は行進のようであるが、目線もあちこちに飛び交い、声も多く発せられている不規則さがある。

不規則でもリズムがこもっている。
打楽器が多用されたリズムを放って、一団が脇を通り過ぎていく。
人工の微風が舞い上がって、雑多な匂いが鼻に入ってくる。

それらがそうさせるのだろうけど、雑踏の中でスカウトをしていると、軽いトランス状態というのか、ナチュラルハイともいうのか、気持ちがよく酔っ払った感覚がくる。

久しぶりに味わった。

なにも考えない。
なにも気にならない。
暑い寒いも感じない。

周りになんの音がしてるのかもわからない。
音は耳に入っていきているのだけど、ベースラインしか体内に取り込まれないというのか。

女の子しか目に入らない。
向けられたチラ見は逃さないし、手を上げて振ってみるのも、1歩踏み出すのもぴったりと合わせれる。

歩を進めていく線が見えて、通行人はすぐにかわせて、声をかける瞬間も調整できる。

瞬間がゆっくりに感じる。
時間の感覚も狂い出して、30分が10分ほどにも感じる。
雑踏が生むリズムは、とり憑かれるような力を帯びる。

遠藤もリズムを取り込んで、この感覚になっているのか。
通行人の中をひらすら足を動かして、手を挙げて振り、女の子に2歩進んで、1歩寄り、通行人をかわして、また手を挙げてかざして、あっさりと素通りされると反転して次に続けている。

自分と遠藤のどっちが早いかはわからないが、もう、この流れにのる状態になると、スカウトできる女の子が現れるのは確実だ。

好奇心の目にイヤイヤ感はいい

気がつくと、遠藤が女の子の足を止めている。
大柄というより、身長が高い巨乳。
体つきといい、色白さといい、ぱっと見はどこかのハーフかという印象がある。

女の子の足元は完全に止まっている。
しっかりと背筋を伸ばしてゆっくりと話す遠藤に、目線はじっと向けられている。

見たところ警戒はなさそうだ。
首を横に振っているが、咄嗟の断りで、全力の断りではない。

これはいいのではないか。
遠藤の話し方がいい。

街路樹の枝に置いてあるペットボトルを手にして飲んでいると、2人はひとつ向こうの街路樹の脇に寄って話込んでいる。

通りの脇では、2人組の若者が、遠藤の様子を見つめている。
近くには、もう1人の若者も、遠藤の様子を見つめている。

そこに彼らは長い間立っていたので、待ち合わせでもしているのかと思っていたが、スカウトの勝負を見ていたようだ。

部外者からのギャラリーはよくされる。
ギャラリー歓迎。
ギャラリーされているときは、女の子があがるジンクスがある。

勝負がついたかも。
やはり3分とはかからなかった。

遠藤はドヤ顔をして「彼女、話きいてから考えるそうっす」と女の子を連れてきた。
負けた。

頬のチークと白いブラウスが似合う女の子は「聞くだけですよっ」と遠藤を後ろからつついている。

いいんじゃないのか。
この好奇心の目に、このイヤイヤ感は。

すぐに行こうとした遠藤を呼び止めて、お茶代だと、甘いものもつけろと、財布から3000円を出して渡した。

遠藤は「あざすっ」とうれしそうに受け取り「イタトマの2階のカウンター席にいってきます」と意気揚々と歩いていく。

やり取りを見ていた女の子は、ぺこりと頭を下げながら後についていく。
遠藤が女の子を連れていくと、通りの脇でギャラリーしていた若者も去っていった。

「生きるってなんだろうとおもいはじめて・・・」

金曜日の夜になりかけている時間だった。
人通りは増していて、ここまで増えるとスカウトはやりずらい。

島田からは「今日はいけないんで、2人をお任せしてもいいですか」と電話もきていたのもあって、谷口とはサンパークにメシを食べに行った。

窓際のテーブル席は埋まっている。
靖国通り沿いの歌舞伎町が見れる好きな席なのに。
奥の席で、ビールとメンチカツ定食にした。

そして谷口の心配である。
遠藤も谷口も、スカウト通りに来た経緯は島田から聞いていた。

男子従業員の募集でおっぱぶの面接にいったところ、そこで完全歩合のスカウトの話もされて志望して、結局は島田に丸投げになる。

給料を捨てて完全歩合を選んだ意気はいいが、谷口の今の動きだとスカウトで食っていくには先が遠い。

「こうしてるうちは、メシくらいは食わすよ」
「いただきます」
「でも、生活は大丈夫なのか?」
「まあ、実家なので、大丈夫です」
「実家たって、親に世話なってるってこと?」
「当分は失業保険もありますし・・・」

谷口は口ごもりながら明かした。
前職は、どこかで聞いた事のあるような会社で、なんとかというカタカナの部署。

そこで半導体の設計をやっていて、特に不満があるわけではなかったが、思うところがあって辞めたという。

言われてみれば、設計をしてそうな顔をしている。
大学を出て、そんな高度な専門職に就いたのなら続ければいいのにと、まじまじと谷口の顔を見入ってしまった。

卑下するのではないが、こんなスカウトなんて、学歴もなく就職もできない人間がやるものなのだ。

現に自分などは、コンビニのバイトも面接で落とされたこともあると言いもしたかったが、そこは恥ずかしいのでやめた。

ビールを飲んでいる谷口は満足そうだった。

「僕、人と関わる仕事をしてみたいんです」
「人とか。たしかにこれだと関わるな」
「前は、誰とも話すこともなくって、音もないところで静かに仕事していたんです」
「そういうもんなんだ」
「あの通りに立って、通行人を見てるだけでも楽しいんです」
「そっか。でもな、だからってやるか?」
「でも、僕・・・」
「うん」

突然、谷口は暗く語りはじめた。
高校生のときには新聞配達をしていて、ある日の早朝、いつものように配達にいこうとすると後ろでドサッという音がした。

地面に倒れていたのは、同じ新聞配達の先輩。
つい3分前ほど前に、いつと変わらない様子で、いつもの笑顔で、いつものようにたわいもない会話をしたばかりだった。

その先輩が、建物の屋上から飛び降り自殺をしたのだった。
自殺の原因はわからずじまいだったという。

「僕、そのときから、生きるってなんだろうっておもいはじめて・・・」
「そんなことがあったらな」
「生きるのが意味ないようにおもえて、人と関わらないようにしてきたんですけど・・・」
「ああ」
「これを機会に、そういうのを改めたいんです」
「ああ、そうなのか・・・」

果たして改まるのかはわからないが、ないにもしないよりはいいだろう。

自分はなんといえばいいのかわからずに、ビールを追加しただけだった。
イケメンなのだが、なにかどこか暗い谷口だった。

イタトマの2階のカウンター席とティラミス効果

暗いテーブル席に、明るく遠藤が合流した。
イタトマの2階のカウンター席が空いていたのでティラミスを食べたっす、と頭を下げている。
それはいい。

窓向きのカウンター席とティラミスで、通行人を眺めながらの会話が盛り下がることは滅多にない。

流れがいい。
この時間で、カウンター席が空いていたってだけで、スカウトできる流れの気がする。

できない流れのときは、まずはしっかりと席が埋まっているものだった。

「でも、どう話せばいいのか、また、わからなくなったす」
「どう話した?」
「最初は、世間話っす」
「それでいい。ティラミス効果だ。で、なにを話した?」
「あの女、ロシア料理の店でバイトしてるす」
「また、シブいところでバイトしてんな。まさか、ロシア人じゃないよな?色白いし、おっぱい大きいし」
「日本人すよ。埼玉の小手指だったけ?まあ、あの辺っす」

普段は大学生で、学校は千代田区にある。
聞いたことがある大学だったのは、自分も以前にその大学に通う女の子をAVにスカウトしたことがあるからだった。

その女の子もおっぱいが大きかったが、まあ今は関係ない。
で、バイト先のロシア料理店は新宿にある。

その店の、男子店員のセクハラがだんだんと増してきて、やめたいと話したという。

「それなんで、時給3000円って話も途中でしたんすよ」
「遠藤のほうから?」
「いや、向こうからきいてきたす」
「なんていって?」
「時給って、いくらなんですかって」
「それでいい、上出来。で、時給3000円はストレートにいったんだ」
「はい」

もし今後、ほかのスカウトから時給4000円と訊いたら、遠藤のスカウトは蹴られるかも。

しかし、あのお茶代でぺこりとしたあたりからすると大丈夫だろう。

「はい。で、面接だけでもっていったんすけど、ウンともダメともならないんす」
「面接にいこうと言えたなら、それでいい。で、考えるとなったんだ」
「はい」
「上出来だ」

興味本位で話を訊いただけなのが伝わってきた。
もし支払いに追われている女の子だったら、もうちょっと切羽詰った食いつきになる。

納得も返事もいらない

興味からの女の子は、やるやらないの境目は線ではなくて、グラデーションの帯となっている。

その場で納得させることもないし、返事をハッキリさせることもない。

「そんなのでいいんすか?」
「うん、いい。で、次の女からは、時給の話するときは、条件をすべり込ませてみ」
「条件ですか?」
「週に5日だったら時給4000円だけど、2日からだったら3000円からとか。定時で出れば4000円だとか、なんでも、ひとつでも」
「はい」
「それで、相手の状況に合わせて、ここをこうしてみよう、ここはこうなるでしょって、そしたら時給3000から4000円だよって、ほら、前にいった小さな約束をしてみる」
「はい」
「あとは、未経験だったら、言い訳もこっちでつくってあげるのも必要かな。彼氏はいるって?」
「はい、いるっていってたっす」
「どこまでのつき合いだって?」
「フツーに付き合ってるみたいす」
「彼氏がどうたらこうたらは出てきた?」
「いや、なかったっすね」
「まったく?」
「はい」
「じゃ、言い訳はいらないな。次の約束は?」
「また、月曜日に電話っす。返事きかせてって。ダメならダメで、ぜんぜんかまわないからって」
「それで、うんっていってた?」
「はい」
「じゃ、やるんじゃないかな?」

遠藤は、小さくガッツポーズをして拳を震わせている。
谷口は、自身がスカウトしたかのように満足そうにうなずいている。

質問がくれば話の主導権がとれる

遠藤のメンチカツ定食がテーブルにきた。
3人ともビールをおかわりした。

「だいたい、流れがわかったでしょ?あれだけ声かけるのに必死こいても、決まるときはすんなりいくものだから」
「はい」
「で、座って話すとこまでいったら、もう、30分くらいは時間があるわけだから、その間にこっちが言いたいことだけは言って、・・・ん、ちがうな。もう、言いたいことは言ってるからな。面接いこうもいってるし」
「・・・」
「そうか、確かめたいことだな。確かめたいこと確かめると。その、30分の間にゆっくりとできればいい。で、言わせたいこと言わすと」
「言わせたいことってなんですか?」
「まずは時給いくらなのって。AVだったらギャラっていくらなのとか、風俗だったらバックっていくらなのって。それを言ってこないうちから、お金の話しても、なんていうのかな、主導権っていうのかな、こっちの話が通らない」
「そうすか」

話す内容は、それほど多くない。
限られている。
自分の場合は、さらに話す内容が限られてくる。

というのは、女の子との会話が上手ではないとあきらめているので、話す内容が限られてくる。

気の利いた冗談もぱっと出てこない。
話題も豊富ではない。

流行にはうとくて、人気だというテレビドラマも知らないし、ヒットしてる楽曲もよく知らないし、それらを補おうともしない。

ウケているといわれるお笑いを見ても、ほとんどは笑ったこともないつまらない性格。

また、女の子の恋愛話ほどつまらないものはないなぁと、秘かにダルくなる体質でもあるので、そっち方面に話が向かうのはできるだけ避けたい。

恋愛話となってしまったら『そうだね』と理解に乏しい返事しかできない。
世間話も恋愛話も、遠藤や谷口のほうがずっと上手なはずだ。

悩みの相談には乗るのか?

「田中さんは、あと、どんなこと話すんすか?」
「なんだろ?」
「女の悩みの相談に乗ったりするんすか?」
「悩み相談なんてしないな」
「え、そうですか?」
「悩みはあったままのほうがいい」

相手に悩みがあったとしても、解決しようとしてはいけない。
もっと、こんがらがるアドバイスをする。

わからないほうが頑張る。
頑張る女の子はパワーを発揮するし、その頑張りはスカウトバックに繋がる。

それに悩みなど聞いていたら、その場が暗くなる。
暗い気分では、AVや風俗の話は進まない。

エロは明色だ。
明るい気分だから話せる。

「オレは、まずは褒めるかな」
「ああ、髪とか服っすよね」
「そこよりも、やっぱ体かな」
「体っすか?」
「体を褒めて、それほどイヤな反応をしなければ、いいんじゃないかな」
「体すか・・・」

折をみて体を褒めて、以外とイヤな顔するわけでもなく笑みを浮かべたとすれば、もう少しいける。

でも、女の子の体を褒めるってのは、すごく気をつけなければだ。

女の裸は、男の気持ちを明るく元気にさせるためか、ついうっかりと『おっぱいがムチムチですごくいい』などと自分の好みをぶちまけたものなら、多くの女の子にとっては『ムチムチ』は褒め言葉でないみたいで顔が曇ってしまう。

『バストのラインがすっごくキュートだね』程度の、よくわからない褒め言葉に変えたほうがいい。

言ってることがよくわからないけど、褒めていると伝わるくらいに。
たとえば『二の腕がとってもチャーミング』と、なぜなのか驚いてみたり。

『胸の造形が群を抜いている』と、あえて漢字を交えて難しそうに断言をしてみたり。

『お尻のうねりが素晴らしい』と、やはり漢字を交えてよくわからない称賛をしてみたり。

それを目を見て真剣に言いうこと。
ニヤニヤしない。
でないと本気らしく伝わらない。

褒めどころに注意

裸になった女性のみができる笑みってある

ともかく、隠れた部分を褒める。
もちろん体以外にも褒めるが、褒めどころってある。

隠れている部分が褒めどころになる。
見える部分、髪やメイクや服は触れないでおく。

目に見えなくても、学校でいい成績を上げただの、仕事でいい評価を得ただのという、当人の努力が含まれる行いを聞いたときの褒めも、できるだけ平坦にしておく。

不用意になんでも褒めてしまうと、ささやかな満足が耳を制御するのか、話がAVへ転がっていく勢いを削いでしまう。

もっと隠れている部分を、これは自分しか褒めることができないだろう、というくらいの隠れている部分を探って見つけて、褒めどころにしてしまう。

褒めどころに見当をつけて、1回はさりげなく体を褒めたとする。
そのときに浮かんだ笑みに、あれっと感じるときがある。

なんといえばいいのだろう。
結果から逆に見ていくと、女の子が服を脱いで、初めて人前で裸になって、向けられたカメラの前に立つ瞬間は、独特な笑みが浮かんでいる。

戸惑いと自信が交じった笑みだったり。
恥ずかしさに決心が透ける笑みだったり。
照れと威嚇が合わさった笑みだったり。
凛々しいようでじゃれたような笑みであったり。

ちょうどよく、補強し合えているように見えるそれらの独特の笑みは、別の言い方をすれば女っぷりをぐいっと映えさせる笑みだ。

それらの笑みは、裸体にすごく似合っている。
裸体に釣り合いがとれている笑みってある。

それらの笑みが、最初に体を褒めたときに浮かんだと感じたときには『太陽作戦』でいく。

自分用語の『太陽作戦』だ。
イソップ物語の『北風と太陽』ではないが、コートを脱がそうと強風で吹くと襟元を押さえてしまう相手が、広量の熱射では自らコートを脱ぐ。

スカウトも同じで、脱げと念じてビュービューと金額や条件をぶつけるのが、北風に近い態度をとらせてしまうことも多い。
特に未経験の女の子には。

『太陽作戦』が脱がす基本

褒めは太陽だ。
そう信じて強い態度にでるべき。

ヒールの脚がよければ、体がしなやかだろうを褒める。
タバコを吸ってなければ、全身の肌艶がいいだろうを褒める。

あごのラインがシャープだったら、ウェストにくびれがあるはずなのを褒める。
二の腕に張りがあるなら、お尻に丸みがあるだろうと褒める。

鎖骨がすっきりしていたら、お腹の肉がちょうどいいだろうを褒める。
髪がサラサラしてたら背中もスベスベだろうを褒める。

おでこがクリンとしてれば裸も素晴らしいだろうを褒め、指が細ければ裸も素晴らしいだろうを褒め、耳たぶが小さければ裸も素晴らしいだろうを褒め、ホクロがあれば裸も素晴らしいだろうを褒める。

十分に気をつけた言い方で。
おだてではなくて、真剣な言い方で。

褒めという照りつけを体にガンガンと当てているうちに「AVでがんばってみよう」に「う・・・ん」と首をかしげながらでも、わずかなうなずきが見れるときもある。

「やらないよ」との再度の断りにしても、もう、身構えている感じではない。

この『太陽作戦』から脱いだ女の子は、10人中9人が申し分のない裸をしている。

つまりは、脱げるというのは体に自信があるから。
自信がない女の子は、向こうから言ってくる。
が、ほとんどは、たわいもない小さなことだ。

おっぱいが小さいだの大きいだの、体重が3キロだか4キロだか増えただの、お尻に肉が付いてるだの付いてないだの、肌荒れがあるだの傷があるだの、脚が太いだの太腿に隙間がないだの。

そういうのもひっくるめて、女の裸は最高なんだ、おっぱいだってお尻だって恥ずかしいものではない、脱げるでしょ、と明るく言い切れたなら、明るければ明るいほど『太陽作戦』は威力を増す。

次いで「ギャラっていくらなの?」と、やっと好奇心の目での問いが、口から転がり出てくるときもある。

どうやら好奇心とは、気持ちを振り回すものらしい。
振り回されると、知らなくてもいいことを知りたくなり、試さなくていいことを試してみたくなり、とりあえずでないこともとりあえずとなり、やってはいけないこともやってしまう。

もちろん、すべてがすべて、こうはいかない。
しかし経験上、この好奇心パターンの女の子が多額のスカウトバックをもたらす。

『お金が目的』との理由を掲げる女の子よりも続く。
好奇心パターンは、スカウトでは常に意識しておくパターンといえる。
だからまずは褒めどころを探って、笑みを確めるあたりから試す。

– 2022.6.21 up –