講習を告げると戸惑いが
昨日の応募の電話では、「講習はしなくても・・・」の問いには「はい、大丈夫です!」と答えた。
はっきりと言い切った。
そういう対応をしておきながら、今から講習をすると言おうものなら、話がちがいますと拒まれるかも。
拒まれたら理由をつけるしかないのだが、なんて言おうか。
「ミサキさ」
「ウン」
「今から講習をするね」
「えっ、あ、はい・・・」
拒んではない。
戸惑いが含まれた、敬語の返事だった。
「それから、お客さん付けるから」
「あ、あの・・・」
「うん」
「やっぱ、講習ってするんですか・・・?」
この様子だと、もう心はやると決まっている。
はじめての風俗の面接で悪い人に不意打ちされないように、彼女なりに警戒をしていたのだ。
あの写真を撮っているときに警戒が解けたのだ。
撮っている途中で、彼女の髪に触れて整えたとき、息を詰めて身構えていたのがふっと解けた気がしていた。
服を脱がすにしても、裸に触れるにしても、フェラさせるにしても、今からは素直に応じるのでは。
「うん、心配だし、いきなりお客さんだと」
「あ、はい、あの・・・」
「なに?」
「店長と・・・、ですか?」
「んん」
言いながら、壁の照明のつまみを回して、室内を薄く暗くした。
見せ付けるようにして、ワイシャツのボタンを外して、上半身裸になった。
「講習はあります」と伝えてもよかったのかも
ミサキの場合「講習はあります」と最初から応じても、面接にきたのかもしれない。
2度も3度も講習があるのかを確かめたのは、したくないからではなくて、心の準備というのか気持ちをストレッチする時間が欲しかっただけなのかも。
まずはミサキを立たせた。
「出勤したら、この部屋でゆっくりしていて」
「はい」
「あ、私物はベッドの下に入れといて」
「はい」
「貴重品は目のつくところには置かないで」
「はい」
「で、お客さんが付いたら、この内線が鳴るから、プルルッて」
「はい」
「これ、受話器をとればフロントとつながるから」
「はい」
「で、準備おねがいしますとか、45分とか60分でってとか伝えるからね」
「はい」
待機してるときの部屋着が必要だった。
個室から出て、通路の突き当たりのタオル置き場から、予備のワイシャツを持ってきた。
すぐに個室に戻ると、立ったままのミサキにワイシャツを渡した。
「これに着替えようか」
「あ、はい」
「寒くない?」
「だいじょうぶです」
「じゃ、脱ごうか」
「あ、はい」
自分が言いながらベルトのバックルを外すと、ミサキは返事しながら、大きな星印があるニットの裾に手をクロスしてかけた。
そのまま、なにか言いたげにしていた。
それを無視して、自分がズボンを脱いでいくと、ミサキはクロスした腕を頭まで振りあげた。
頭からニットを抜きとって、静電気で髪を逆立てっているのに気がついて「あぁぅんっ」と手ぐしで直している。
長袖インナーを後ろを向いて脱いでからは、しきりに手でお腹を隠すようにしている。
ひょっとして胸が大きい分、お腹にたぷたぷと肉がついているのかなと心配して、やがて手がどかされたお腹をさりげなく見たのだが、いたって普通のすっきりとしたお腹だった。
ブラジャーを外して
予想通りのDカップのおっぱいを、ブラジャーが包んでいた。
薄暗いなかに、白い肌が浮かび上がっている。
「ベッドの下にカゴあるから、これひとつ女の子用につかって」
「あ、はい」
すでにトランクス1枚になっている自分は、脱衣カゴを用意してエアコンの温度を上げたりしている。
ミサキは「しょっとっ・・・」とつぶやきながら、背を向けて、デニムも靴下もヒラリと脱いで、丁寧にたたんで、脱衣カゴに入れている。
フルバックパンティーのお尻を眺めた。
サテンではないか。
尻肉への貼りつき具合に目を留めてると、動きが止まったミサキが振り向きざまに訊いてきた。
「ブラも・・・?」
「ああ、オレ、はずすよ」
「えっ」
「こっちおいで」
「えっ」
咎めるような振り向きざまだった。
感づかれたか。
パンティー尻を視姦していたのを。
フルバックパンティーが大好きなのは、まだバレたくない。
焦りを隠すために、余裕ぶってミサキを招き寄せた。
「どうしたの?」
「いえ、なんか・・・」
「はい、後ろむいて」
「・・・」
「いいよ、いってみて」
「なんか、・・・照れますね」
「そう?ふつうだよ、ふつう」
「そうですけど・・・」
「はい、外れた」
「・・・」
両方の肩紐をつまんで横に滑らせた。
ブラジャーのカップを外してからのミサキは、おっぱいを手で隠すようにして、イヤイヤするように肩を前後に揺らしている。
イヤイヤしてるのだけど、笑みからは、おっぱいが隠れた自信だという予想は当たったのがわかった。
それを今になって発見したかのように、大袈裟に驚いた。
「あれ、ちょっと、手、手、どけてみて」
「ンンッ・・・」
「おっぱい、よくない?」
「ンンッ・・・」
「くねくねしないの!」
「だって・・・」
「手、3秒だけどけてみよう」
「ンンッ・・・」
「ほら、おっぱい、すごくいい!」
「・・・」
ミサキがゆっくりと手をどけると、おっぱいが露になった。
大きな釣鐘型おっぱいでバランスもいい。
乳首と乳輪の色合いは、薄く暗くてよくわからないけど、みたところは絶妙な感じはする。
斜めから見ると、乳首まで含めてつんっと上を向いている。
これはいいおっぱいだ。
お尻フェチの自分に、ここまでいわしめるおっぱいだったとは。
パンティーを脱いで
いったん、おっぱいから手を除けさすと、もう隠すことはない。
あとは見せつけているように曝け出して、ワイシャツを着た。
「じゃ、つづきしようか。オレが客さんの役をやるから」
「はい」
「お客さんはさ、フロントの脇のカーテンで案内するから、そしたらカーテンから個室まで手を握ってつれてきて」
「はい」
「うん、にしてみようか。はい、はやめてみるか」
「・・・」
「この店は素人系だから、お客さんには仕事キッチリよりも、イチャイチャ感で接してほしいの」
「うん、・・・ですね」
いらっしゃいませ、お待たせしました、ありがとうございました、など接客用の言葉は禁句。
お客さんとは呼ばずに、名前で呼ぶ。
仕事と家族の話はしない。
そんな説明をしてるうちに、ときどき甘えたような口調をするミサキだったから、返事には心地がいいイチャイチャがまとわりつかせてきた。
「で、お客さんの服を脱がすのは、手を貸してあげて」
「うん」
「お客さんの服は、ハンガーにかけてあげて」
「うん」
「どんな服でも大切に扱って。雑に脱ぎ捨てたままってのは、いかにもベテランっぽくなるから」
「うん」
そういってトランクスを下ろしたときには、勃起をわざと勢いよくびゅんと飛び出させた。
この勃起は、さっきブラジャーが外されかけたミサキが『・・・照れますね』とつぶやいたときに最大度となっていたものである。
それに匹敵する言葉がでてくるのを期待して、力を込めて飛び出させたのだが、ミサキは直立する勃起には、ちらと視線を動かして曖昧な笑みをしただけだった。
「なにがおかしいの?」
「だって・・・」
「そりゃ、勃つよ。オレだって男だから」
「・・・」
勃起の仁王立ちのまま、開き直りの口調でにじり寄った。
うつむいたミサキに、追い討ちをかけるように意地悪を放ちたくなった。
「ミサキ」
「うん」
「パンツ脱ごうか」
「えっ」
「だって、これからシャワー浴びるからさ」
「あ・・・、うん」
「パンツはいたままだったら濡れちゃうでしょ」
「あ、うん」
全身リップからフェラへ
ミサキが「うん、うん」と興味深そうに目をくりくりさせるから教えがいがあって、つい、細かなポイントまでしてしまう。
シャワーの使い方を教えているときからも、キスから全身リップをさせてからも「ウン」と快い返事が絶えない。
上になって、音をたてて唇を押しつけて、舌先で撫でて、耳の穴から乳首から。
うつぶせにして、背筋からケツの割れ目から、太腿からふくらはぎまで。
体の隅々まで舐めていく。
これはいい風俗嬢になる素質がある。
「ミサキ」
「・・・ン」
「フェラは自信ある?」
「・・・あまりないかも」
「ちょっとしてみて」
「・・・うん」
させてみると、ミサキは勃起を手でしごきながら、先端に吸い付いたり舐めたりしている。
まだ誰にも教わったことがない、見よう見まねのフェラだった。
風俗をするのは彼氏には内緒なのだろうな、と想像がついた。
彼氏公認だったら、マーキングではないが、もっとテクニックを仕込まれている。
やはりフェラは、センスでというわけにはいかない。
テクニックが必要になる。
やはり男から教わったほうがいい。
チンコの感じる箇所、攻め方、扱い方、金玉の揉み方、フェラ顔の見せ方を順に教えた。
ミサキは教える通りにフェラをしていった。
頭がゆっくりと上下する。
上達が早い。
「あぁ、ミサキ・・・」
「ン・・・」
「ああ、それいい、もっとして・・・」
「ン・・・」
口に含んだ肉茎を吐息で包みながら、舌が絡みつくように回転。
同時に、喉で返事をしながら、唇がカリ裏をねぶった。
「上手になってきた」
「ン・・・」
「そのまま、つづけて」
「ン・・・」
イキたい。
けど、いきなりの射精は驚くかもしれない。
ミサキが鼻から息を抜いた。
勃起から口を離して訊いてきた。
「店長・・・」
「ん?」
「もし、お客さん、イカなかったらどうするの?」
「それは、ゴメンねしかないな」
「それで、だいじょうぶなの?」
「うん。一生懸命にやっていて、それでイカなかったらお客さんもどうこういわないよ」
「そうなんだ」
「いい?おさらしておこう。キスから前戯をたくさんしてあげて、焦らしてからフェラにいくと」
「うん」
「で、あと、男は目で興奮するからさ、さっきみたいにフェラ顔を見せてあげて」
「ウン」
「あとは、耳でも興奮するから、全身リップのときも玉吸うときでも音立ててあげて」
「ウン」
「じゃ、シックスナインしてみよう。やっぱシックスナインすると男って興奮してイキやすくなるから」
「ウ、ウン」
シックスナインはイキやすい
瞬間、シックスナインに戸惑っていたミサキだった。
自分はなんとしてでもシックスナインはするつもりだったので、かといってもシックスナインだけやる気を見せるのもどうかと思われたので、さも当然といったように平然とベッドの上に大の字になった。
シックスナインに慣れてないのか、ミサキはぎこちなくまたがってきた。
「ミサキ、足、ここの脇にいれてみ」
「ここ・・・?」
「うん。で、もっと下に、こっちにきて」
「ウン・・・」
「腰、腰、反らせて」
「ン・・・」
またがってきた足と腰の位置を調節。
お尻が目の前にきた。
「ああ、いい・・・」
「ン・・・」
すぐにお尻の肉感を両手で感触を確めると、ミサキの返事が恥ずかしそうに揺れた。
「フェラして」
「ン・・・」
「ああ、いいよ、ミサキ・・・」
「ン・・・」
「ああ・・・」
「ン・・・」
さらに声には出さずに「ミサキ・・・」と呼びながらお尻に没頭させたのは、さっき、この名前をつけたことにかすかに憂鬱を感じたのを解消しようとしたからもしれない。
四つん這いの腰から太腿にかけての曲面は絶妙。
一帯を手で撫でていたが、この造形だけでイってしまいそう。
目が細まって「んん・・・」と呼吸が漏れた。
店に来る途中で視姦したデニムのヒップラインを頭に浮かべたとき、鼻から入った彼女の股間の匂いの粒が脳に直撃したようで、一気に射精感がきてしまった。
「ああ・・・」と呻いて勃起に力を込めたが、制御できるかは微妙なところまで、射精感は込み上げてきている。
講習だけどイってしまいそうだ。
いや、イキたい。
ミサキでイキたい。
イってもいいだろ、と小さくつぶやいた。
「ミサキ」
「ン・・・」
「いくよ」
「ン・・・」
「口で受けとめて」
「ン・・・」
すでに、こうなると予想していたのか。
勃起を包む唇は『いいよ・・・』と優しく言っている。
たぶん。
「ああ、いく・・・」
「ンンッ」
「ミサキ、いくよ・・・」
「ンンッ」
「あ、あ、あ・・・」
「ンンンンンッ」
何回も脈動を繰り返して、思い切り精液を飛び散らせてからは、素でイってしまった・・・と我に返った。
ミサキは『どうしたらいいの・・・』と言いたげに、勃起を口に含んだまま。
すぐに講習の体裁を取り繕ろった。
満足の息を押し殺して「おそうじフェラも教えるね」と声をかけた。
講習で射精すべきか?
おそうじフェラの重要さを教えたところで、内線が鳴った。
待つという客がいて、感じがいい客なので最初の客にどうか、と村井がいう。
講習をはじめて1時間30分を過ぎていた。
あとは素股を教えなければなので「もう30分待って」と答えた。
騎乗位素股はいいとして、正上位素股だ。
正上位素股は、女の子が経験を積むしかない。
下手すると、すぽっと入れられてしまう。
お互いの体型によって勃起を密着させる部分を変えないといけないからだ。
「ミサキ」
「うん」
「正上位素股を教える」
「すまた・・・?」
わずかに首をかしげたミサキを押して、ベッドに横にした。
仰向けにして脚を開くと、息を詰めて「キャッ」と小さな悲鳴を上げた。
「正上位はこうでしょ?」
「うん・・・」
「本番したがるお客さんもいるから、
ローションを手にとらせて勃起をつかんだ。
正上位素股は、両手で挟むのもある。
お腹にこすりつけるのもある。
太腿につけるパターンもある。
「そのまま、太腿におさえつけてみて」
「こう?」
「もうすこしキツく」
「うん」
「そう、動かすよ」
「うん」
腰を打ち付けた。
髪の匂いをこっそり嗅ぎながら抱き寄せた。
「脚、こっちにしてみて」
「うん・・・」
「ああ・・・、締まってきた・・・」
「ン・・・」
「で、声。声だして、してるときみたいに、声でイカせるの」
「ンンンンッ、アアァァンッ」
教える通りに、というより指示する通りに、ミサキは片手で勃起を擦り、もう片手で相手を抱きこんで、耳に喘ぎ声を吹き込む。
「ああ、やっぱ声がいい、いやらしい言葉もいって」
「エ・・・」
「きもちいいとか、すごいとか、かたいとか」
「アアン・・・、すごくきもちいいっ」
ミサキの肌はじんわりと汗ばんでいた。
腰を打ちながら、抱きながら、耳たぶを吸い『ミサキ、好きだ』と念を送ってみた。
やっぱりミサキでイキたい。
そう思ってしまったら、射精感を抑えられなかった。
ミサキを抱いたまま、呼吸を荒くしてわずかに呻いて、2度目の射精をした。
呼吸を抑えながら体を離す。
ミサキが、近くから目を合わせてきた。
また講習の体裁を取り繕ろった。
「教えた通りにできる?」
「ウン・・・」
「あとはやりながらだね」
「ウン・・・」
「じゃ、がんばろう」
「ウン・・・」
なにか言いたそうなミサキは、じぃ・・・と目を覗き込みながら、掠れた声で返事をしてきた。
非難しているのではない。
講習で射精しようがしまいが関係ない、という気がした。
– 2018.12.12 up –