スカウトマンというより、ただの詐欺師


なぜ夜景を見ながらのセックスはいいのだろう?

彼女と4回目に会ったときも、新宿ヒルトンのラウンジでお茶をした。

ホテルの部屋は予約してあった。
今日は誘ってみるつもりだった。

もし、ダメだったらあきらめよう、とも考えていた。
いつも通りお茶をした後、ハッキリと言ってみた。

「栗田さん。このあと、時間は?」
「エッ」
「2人でゆっくりしたいと思って、部屋とってあるけど」
「エッ」
「出よう」
「・・・」

笑顔が消えて急におとなしくなった彼女は、無言のままついて来た。

エレベーターに乗り20階で降りて、廊下を歩いてもそのままで、視線を合わそうとしない。

部屋のドアを開けたとこで、「イヤッ、イヤッ」とかすれた声を出して、捩じらせるように体を引いた。

が、手を引いて部屋の中に入るとおとなしくなった。

「ごめんね。突然」
「・・・」
「僕ね、一緒に組む人とはセックスをするんだよ」
「・・・」
「脱いで」
「・・・」

抱きこんで耳たぶに吸い付き、胸を揉みながらキスしてから、戸惑う彼女のジャケットを脱がした。

そのままベットに押し倒した。

「え、恥ずかしい・・・」
「恥ずかしくない」
「え、お腹が出てるから・・・」
「だいじょうぶ」

全部を脱がすと、胸もお腹も弛んでいる。
出産を経験した体のラインは、無残に崩れていた。

しかし肉がタプタプと柔らかくて、肌を合わすとしっくりくる。

むっちりした太ももを掴んで、脚を大きく広げて、クリトリスからアナルまで丁寧に舐めた。

「・・・恥ずかしい。・・・シャワーも浴びてないのに」と、喘ぎ顔でつぶやいている。

その恥ずかしがりかたがたまらなく、こみ上げてくるものがあるようなものがある。

挿入してからは、身体を突き抜くようにして、激しく腰を打ち付けた。

「こわい!こわい!」と喘いで、身体を仰け反らせて感じている。

途中でゴムをつけて1回目の射精をしてから、まだ収まらない勃起を突き立てた。

玲子、36歳、ホテルで
「こわい!こわい!」と彼女は喘ぐばかりだった

2回目の射精を終えると、ぐったりとおとなしくなっていて、体はピクリとも動きもしない。

心配になって手の平を鼻の下にかざしてみると、ゆっくりとした呼吸があった。

そのままベットで寝ていた。

「なんでついて来たんだろう。断ればいいのに・・・」
「・・・」
「ああぁ・・・」
「・・・」
「このにおい・・・」
「・・・」

はにかんだような表情で、身体をくっつけてきた彼女。

出掛けに胸に振りかけた香水の匂いを嗅いで、彼女は言葉を詰めて足を絡めてきた。

シャネルのエゴイストを付けていた。

「もう1回しようか?」
「エッ」
「しようか?」
「エッ」

こういう控えめなのを、人妻の奥ゆかしさ、とでもいうのだろうか。
たまらなくなる。

彼女の両足首を高く持ち上げて開いて、前戯なしで挿入すると、自分の背中を撫でてきて「大きい・・・」とつぶやいている。

どうやら、ダンナは痩せていて小柄らしい。

ダンナを基準にすると、体のサイズが大きくて体重もある自分が、思い切り抱きこんできて全力で腰を打ち付けてくるのが、彼女にとっては「こわい!こわい!」となるらしい。

「こわい!」と喘ぐ彼女は、7歳ほどの年上の分だけ、屈服させた気分にさせる。

屈服させた感覚は、勃起は固く増大させる。

「玲子!」と呼び捨てにして、唇を吸いながら思いきり腰を打ち付けると、しがみついてくる腕の力加減が変わってきた。

3発目の射精は、キスをしながらだった。
勃起は収まらない。

一緒にベットから、全裸のまま抜け出た。
暗くなった部屋の窓際に移動する。

窓の外はもう日が落ちて、目の前にはゴミゴミした新宿が静かに夜景となって広がってた。

玲子に窓際に手をつかせて、お尻を突き出させた。
丸いお尻に立ちバックで挿入する。

柔らかいお尻を鷲づかみにして、立ちバックで突きながらその夜景を見てた。

そうすると、ベッドの上とは呼吸が変わった。
大きく鼻でスーとムネに吸いこみ、大きくスーと鼻で吐き出す。

普段の新宿の騒々しさの代わりに、玲子の甘くてかすれたあえぎ声が耳に響く。

なぜ、夜景を見ながらのセックスはいいのだろう?

玲子をもっと動かそう。
よし。

マジで金を引っ張ろう。
そう考えると勃起が激しくなってくるのがわかる。

「玲子」
「ン・・・」
「もっと、お尻、突き出して」
「ン・・・」
「そのまま、突き出したまま。しっかり突き出して」
「ン・・・」
「こわいか?」
「ンンン・・・」

踏ん張るようにして突き出されたお尻に、激しく腰を打ち付けても、射精感は少しもこない。

玲子の喘ぎだけが激しくなる。

夜景を見ながら仁王立ちのまま腕を組んで、玲子のお尻に腰を打ち続けたが、やはり射精感はこなかった。

どうやって「お金を出してほしい」という話にもっていくのか?

それから。
携帯電話も持つようになった玲子とは、1週間に2回は会うようなる。

玲子は主婦なので平日の昼間に会った。
5歳と7歳の子供のことは、おばあちゃんにまかせてウチを出てくる。

玲子は知的だった。
待ち合わせ場所は新宿ヒルトンのロビーと決まっていたが、いつも読書をしていた。

大学では日本文学を勉強していて、その学生時代は、イタリアやフランスと何回か旅行に行っていたという。

普段、おバカさんなフリーターとか風俗嬢だとか接する機会が多いので、その雰囲気は結構気に入っていた。

だけど「玲子を食ってやる」という気負いもあった。
そして自宅に連れこみ、何回もセックスをした。

時間をかけてクンニをすると「こんなにしてもらったの初めて・・・」と歓びのよがり声を出す。

2回目のセックスのとき、玲子は言っていた。

「名前で呼ばれるなんて、すごく久しぶり」
「そう」
「名前で呼ばれると、すごく新鮮に感じる」
「そうなの?」

すっかり名前の呼び捨てになっていた。
セックスのときも、呼び捨てを連呼していた。

呼び捨てが好きなのは気がついていたし、不思議にも感じていた。

「あのね、結婚すると栗田さんの奥さんとなるでしょ」
「うん」
「そして子供が生まれると●●くんのお母さんってよばれるでしょ?」
「そうだね」
「ダンナにもお母さんって呼ばれるようになるし」
「そっか」
「・・・名前で呼ばれたとき、ゾクッってしちゃった」
「玲子」
「うん」
「フェラして」
「ん・・・」

玲子はフェラが下手だった。
が、次第に感じるツボを心得てきて、丁寧に舌を這わせるようになった。

風呂に入ると「ダンナにもこんなことしたことないのに・・・」と言いながらも、足の先から背中まで洗ってくれる。

3回目のセックスのときには、アナルの処女も奪い、男性経験も明かさせた。

玲子の男性経験は自分で4人目。
2人目の男と長く付き合ったみたいだが、結局ふられたらしい。

その結果、あまり好きではなかったが、今のダンナと結婚したとのこと。

夫婦仲はよくないことがわかった。
食事の用意はするが、一緒に食べることはなく寝るのも別々。

姑はダンナの肩を持ち、不仲にはあまり関心がないというか干渉しないらしい。

「なんでダンナとうまくいかないの?」
「わからないけど、合わないのかな・・・」
「ふーん。どんなところが?」
「ぐちっぽいし・・・、しつこいし・・・」

不仲の夫婦の性生活・・・というを聞くのは楽しいものだった。

年に2回ほどのセックスは「ぜんぜん気持ちよくない・・・」と呟いていた。

離婚も考えたが、実家には兄夫婦がいるので、子供を連れて戻るわけにはいかない。
子供とは離れたくないしので思いとどまってる。

子供を連れて出たとしても生活ができないから、夫婦生活は淡々としてると、まとめるとそういうことだ。

玲子が商売をやりたいというのは、自立のためだったのか。

やっと読めた。
しかし、お金を出してほしい・・・という話までがまだ組みたてれない。

お金を騙し取るには素晴しい名目が必要

返すつもりはないから「貸してくれ」でもダメだ。
最初に貸し借りから入ると、後がやりづらい。

女性はお金に敏感なので、むやみに「金出してくれ」では逆効果になってしまう。

「オレにまとまったお金預けてみないか」でもダメだろう。
使い古されている。

「支払いがあって・・・」「電話代が・・・」という情でいくのもダメだろう。

生活の監督者でもある玲子に見限られそうな気がした。

どうやって話を組みたてようか。
スカウトマンというより、詐欺師だった。

もっと自分がいい男だったなら恋愛詐欺師を名乗れたが、ただの詐欺師でしかなかった。

「今日も子供は、おばあちゃんが見てるの?」
「うん」
「普段は子供連れて公園とかいくんだ」
「うん」

2人の子持ちなんだと今さら思ったのは、ベッドの中で身を寄せてくる玲子を抱いているとき。

小さな子供はどうしているのだろうと、なにげなく訊いたのだった。

「公園か・・・」
「それでね、いつも子供と公園にいる奥さんがいるの」
「いつも?」
「うん、いつもいるんだよ」
「へえー、いつもいるんだ」
「雨の日もカッパ着て、子供と遊んでいるの」
「雨の日も!よっぽど公園が好きなんだね」
「それでね、この前聞いてみたら、やっぱりウチに居場所がないんだって」
「えっ、居場所・・・」

そうか、玲子のキーワードは “ 居場所 ” だったんだ。
そうだったのか。

ダンナとは不仲、姑は息子の味方、実家には戻れない、かといって自立はできない。

確かに居場所がない。
それで、パーと観えた。

玲子は自身の居場所のためだったら金を出すだろう。

マルチしたのも、商売をしたいというのも、こうして自分とセックスしてるのも、すべて玲子自身の居場所の為だったんだ。

これで、お金の説得ができる。
いつ、話をすすめようか。

一発必中で決めなければ、2度目はない。
タイミングがむずかしい。

金銭が絡んだ関係のほうが言い訳もしやすい

次ぎの週の半ば。 
玲子との待ち合わせ場所にいた。

快晴だった。
雲一つない。

こういう日はいいことがある。
今日、お金を出してほしいと説得をしようか。

そういう快い気持ちで、ホテルのロビーから自宅に直行。
前戯として夜の夫婦生活を訊く。

変化があった。

年に2回の夫婦生活が、それこそ盆と暮れくらいにしかないダンナとのセックスが、突然として昨晩に行なわれたのだった。

求めてきてからは断ったけど強引にされたと、すごくイヤだったと、はやく終わらないかなって思ってた、と玲子は不満顔をしてる。

今日のうちに、お金の説得をしなければだ。
ダンナは感ずいているかも。

玲子から男の存在をうすうす感ずいて、たぶんどうしたらいいのかわからずに、とりあえずマーキングのためのセックスをしたのだ。

セックスを楽しんでいる場合ではない。

お金を絡めて、早いところ金銭の関係にしたほうが、もしダンナが対応策を打ってきたら言い訳もしやすい。

フロに入りフェラチオをさせて、ベットでシックスナイン。

玲子を四つん這いにさせて、アナルに指を入れる。
そして言葉責めが入る。

「アナルきもちいい?」
「ウン・・・」
「ヘンタイ!」
「アッ・・・」
「ヘンタイ!」
「ウッ・・・」
「私はヘンタイですっていって」
「イヤ・・・」
「いえよ、ヘンタイでどスケベですって」
「・・・わたしは・・・ヘンタイです・・・」

ローションをアナルに塗る。

勃起をあてがうと、この前まで処女だったアナルはスルリと飲み込んだ。

そこまで確かめてはないけど、マーキングのためのセックスをしたダンナは生出しだろう。

ダンナとは友好関係などありえないのだから、玲子に対してはどちらが多くマーキングを施すかの選択しかない。

まずは自分のテリトリーであるアナルに、ズブズブと勃起を根本まで埋めた。

鷲掴みにした尻肉に腰を打ちつけながら、言葉責めを続けた。

「この前さ・・・」
「ン・・・」
「終ったあと、チンコにウンチついていた・・・」
「エッ・・・」
「玲子のウンチがついていたよ」
「アァァァッッ・・・」
「茶色くてちょっとくさかった」
「エッ・・・」
「今日もウンチついちゃうのかなぁ」
「ヤダッ・・・」

玲子は四つん這いで突かれたまま、顔を両手で覆った。
その羞恥に、裏筋がビクッビクッと震えた。

「ヤダじゃない!」
「ヤダァ・・・」
「ウンチみてっていって!」
「アッ、ヤダァッ・・・」
「いいからいって!」
「・・・ウンチ、・・・みて、アッ、イヤッ」
「もう1回いって!」
「ウンチ・・・みて・・・」
「あぁぁ、いく・・・」
「ンンッ・・・」

途端に射精した。
ドクッドクッっと精液がでるのがわかる。
鷲つかみしたお尻の中に大量に放出した。

これで終わりではない。
どうせダンナは、せいぜいが1発か2発くらいだろう。

こっちは倍以上の4発は注ぎ込まなければと、玲子の体を手荒く仰向けにした。

「法務局に籍を入れよう」という詐欺の手口

それから。
2人でベットの上でしばらくボーとしていた。

ブラインドの羽を調節するとベットの上に昼の光が入る。
車の通りすぎる音が聞こえる。

玲子がうっすらと目を開けたときに、微かにピチャッという音が、潤ったまぶたから聞こえた。

ベットに射し込む昼の光を見て「・・・・まどろみってかんじ」とつぶやいた。

まどろみの意味はわからなかった。

しかし、玲子のしみじみとした感じの言いかたをみて、今だったら話が進むと感じた。

「あのさ、玲子」
「うん・・・」
「2人でさ、法務局に籍を入れよう」
「エッ、籍?」
「事業も結婚と同じなんだよ」
「そうなの・・・?」
「うん。一緒にやってきましょう、というもの同士が資金用意して届けを出すから」
「ふーん」
「結婚の場合は役所に婚姻届を出して夫婦になるでしょ。それで、新しい生活がはじまる」
「うん」
「事業の場合は賛同者が法務局に登記して法人になって、一緒に商売をはじめるわけ。わかりづらい?」
「ううん。わかる・・・」
「今のままで商売の話しをしても、例えていえば同棲と同じ状態なのね。恋愛だったらそれでいいかもしれないけど、商売だとそれでは困るでしょ?」
「うん」
「そういう意味でこれから先は正式に登記しようと考えてる」
「・・・うん」
「そうして商法で守られるようになるから」
「・・・うん」
「会社に対して不義理すると商法違反に問われるわけ。商法違反ってきいたことある?」
「ある・・・」
「結婚生活だってこういうように不倫したり、セックス拒んだりすると問題になるでしょ?」
「うん・・・」
「会社も同じことで、適正に運営しなかったりとか、経理をごまかしたりとかすると、その責任が問われる」
「うん・・・」
「だから、キチンと形にしたほうが、お互いにいいんじゃないかと思っているんだけど」
「うん・・・」
「わかりづらいかな」
「ううん。わかった」
「じゃあ、これから設立を一緒にやろう」
「うん・・・」
「2人で発起人になって登記まで持っていきたい」
「うん」
「玲子は役員になって、登記後は会社から役員報酬受け取れるから」
「うん」
「こういう時はね、最初細かく動いて流れを作って自分達に有利になるように取りまとめというのをするの」
「そう・・・」
「タイミングをみての交渉になるからね」
「うん」
「それで、社長連中を取りまとめるために、まとまった費用、なんとかできないかな」
「・・・」
「タイを釣るのにエビが必要だ、というようにタイの釣り方はわかっているんだけど、肝心のエビがない。だからエビをだして欲しい」
「エビ・・・」
「玲子がチカラ貸してくれるなら、オレ思いっきり動くから」
「金額は・・・」
「300万円みてる。この費用は設立準備費用として、登記後に経理処理して精算する。それまで1ヵ月だけ待って。オレも預かり証差し入れるから」
「うん。わかった・・・」

法務局に籍を入れよう、とは我ながらよく考えた。
そのまますぐに、300万を了承するとは以外すぎた。

無理と言われれば、自分が200万を用意して、玲子が100万あたりになれば成功だと思っていたのに。

ともかく、説得は成功だ。

とたん勃起してきた。
3発目のセックスになった。

玲子の身体を抱いて、身体全体で激しく腰を打ち付けた。
ゆっくりとチンコを出し入れしながら聞いた。

「オレ、がんばるからさ・・・」
「・・・うん」
「早めに動きたい・・・。いつ用意できるの?」
「・・・来週。・・・月曜日」
「月曜日ね」
「・・・うん」

いける。
引っ張れる。

そう思ったらチンコがビンビンになってきた。
キスをして舌を絡ませながら、腰を打ちつけた。

玲子が唸り声を洩らして、腰に手が回ってきた。

– 2001.11.15 up –