法令順守の難しさ


新規オープンの当日

オープン初日は早番から。
毎朝やることになる開店準備は、個室がないだけ早く終わるようだ。

有線放送のスイッチを入れて、昭和ヒット曲チャンネルに合わせた。
チャンネル番号を覚えているのがうれしい気持ちのまま、音量のつまみを上げた。

有線放送のチューナー
有線放送は中古チューナーをつなげるだけで聴けた

出勤予定者は、コハル、ミサキ、シホの3名。

コハルは昨日の夜に上京していて、元店舗の待機所に泊まっていて、さっき起こして準備している。

9時20分には「東口につきました」とミサキから電話があった。
新たな店の場所を教えるため、靖国ドンキの前で待ち合わせをして、受話器を置いてからは店を飛び出した。

自分のほうが先にドンキの前についた。
横断歩道の向こうのスカウト通りを歩いてくるミサキが見えた。

東口からコマ劇場までは、緩やかな下り坂となっている。
歩調に少しの勢いがついているのか、歩く手の振りは力強い。

スカウトらしい者が声をかけたが、ミサキは無視をして真っ直ぐに前を向いて歩いてくる。
その無視の仕方が堂に入っていて、風格すらあるようにも見えた。
かわいらしいミサキが頼もしく見える。

横断歩道にたむろしている3人組みのホストにも声をかけられていたが、それもつんと無視して、ちょうど歩行者信号が青になって渡ってきた。

つんと無視した面持ちのままで、目の前の歌舞伎町を仰ぎ見るような目線をして歩いてくるミサキだった。

できることなら、今すぐに、新宿署の係長をここに呼びたい。
彼女が歩いてくる姿を、この位置から見せてやりたい。

あれが管理された女性かと問いたい。
か弱い女性かと問いたい。

申請窓口の亀井氏にも見せてやりたい。
あれがホテルでむざむざと殺されるような女性かと問いたい。

まるで、一匹狼の渡り職人ではないか!

なにかの演歌でもあったが『包丁一本、ふところに入れて♪』ではなく、体一丁とテクニックだけ引っさげて歌舞伎町に現れた風俗の職人だ。

思わず「ミサキ!」と声を上げて手を振る。
気がついたミサキは急に笑顔を見せて、控えめに手を振り返してきた。

「ミサキ、ひさしぶり!」
「おはようございます」
「あれ?なんか、かわいくなってる!すごくいいよ!」
「はじまった・・・」
「なに?どうしたの?なんか冷たくない?オレはうれしいよ」
「はいはい。いい店になるといいですね」
「ミサキがいればだいじょうぶ。ミサキがきてくれてよかった。ミサキしかいない」
「はいはい。で、お店はどこなの?」

コンビニのバイトを辞めさせたことを丁寧に謝りながら、コマ劇脇の裏路地に入る。
鉄階段を上がり、ドアを開いた。

竹山と小泉は「おはようございます!」と大袈裟に90度の礼をして迎え入れて、ミサキは苦笑いをしている。

シホからも「歌舞伎町につく」と電話がきた。
ドンキの前まで迎えにいくと、久しぶりに顔を合わせたというのに、摘発も再オープンも関係ないというように、にこりともせずに「おはようございます」と挨拶をするのみ。

怒ってるようでもある。
前の店はやめると電話できいていたので、つい訊いてみた。

「シホさ」
「なに?」
「池袋のお店はやめたの?」
「やめたよ」
「そう、なんか、ありがとね」
「いいよ、べつに」
「おこってるの?」
「いいよ、そういうの」

会話も少なく店についた。
なんにしても、予定していた3名の出勤が整った。

すでにレンタルルームはオープンしている。
チケセン全店に電話をかけて、新店の営業がはじまった。

客が不審顔になる理由

プロフィールのカードは6枚。
出勤の3名に、ダミーの3名がプラスされている。

「最初の客はオレがやる」と竹山からプロフィールを受け取り、防犯カメラのモニターを見つめて来店者が現れるのを待った。

割引チケットを手にして、リュックを背負った客がきたのは、オープンして10分も経たずにだった。

「いらっしゃいませ!」
「・・・」
「当店ははじめてで?」
「これを・・・」

本当は『第一号のお客さんです!』と言いたい。
『よくきてくれました!』とクラッカーを鳴らしたいほど。
でも、すでに何年も営業しているように対応した。

「はい、ありがとうございます。では、この料金でやりますので」
「・・・」
「写真はこちらです」
「あ・・・、はい・・・」

受付方法は店舗型と同じ。
写真指名は、ミサキですんなりと決まった。

料金を受け取り、待ち用のソファーに座らせる。
ミサキには準備の電話を小泉がしている。

ここからが手間どる。
『レンタルルームとは提携してません』というのを客にわからせるために、慎重なやりとりが必要だった。

早々の摘発だけは避けたい。
オーナーの金とはいえ、すでに2000万をかけているのだ。

複数のレンタルルームが載っている手製マップを見せた。

「で、お客さん、お部屋ですけど」
「お部屋・・・」
「近くにある、この中のレンタルルームからお客さんが選んでください」
「選ぶ・・・ですか?」

レンタルルームと提携してはいけない、お客さんに自由に決めてもらう、といった警察の指導は、当事者の客には全く関係ない話だった。

「ええ、そうです」
「お部屋を選ぶんですか?」
「ええ、そうなっておりまして」
「え、どこがいいのか、わからないんですけど・・・」

この第一号の客は、店舗型がダメになったと風俗事情を知っている客だったので、すんなりとミサキの入室まで進んだ。

が、それを知らない客のほうが多勢だった。
レンタルルームの存在も意味も知らない客がほとんどだった。

「え、ここが店ではないんですか?」と不審がる客もいる。
レンタルルームで別途1000円と聞くと「それ以上は、料金はかからないですよね?」と、やはり不審顔で念を押してくる客もいる。

割引チケットには、店で14000円でレンタルルームで1000円の総額15000円と記してあるのだが「えっ、また、1000円かかるんですか!」と勘違いして驚く客もいる。

客からすれば、1000円であっても2度目の料金を払うというのは、追加料金をとられるようで嫌な気分になるのはわかる。

あやしい店かも・・・という警戒の目となって「今日はやめときます」と帰る客もいる。

かといって、ここを省くわけにはいかないが、客は混乱するだけだった。

どうしても「皆さん、ここが多いです。1000円ですので」と『シグナル』を誘導するようになる。

わかりやすく自作した地図で「ここを出て左で・・・」と説明をはじめると「連れていって」という客もいる。

レンタルルームまで連れていくほうが手っ取り早くて親切だが、提携してると思われてもいけないし、どこでどう疑われるかもしれないので、自作の地図での案内にしていたのだった。

受付方法は電話というけれど

脱法だとされているのは、無店舗営業の派遣型ファッションヘルスの届出をしておきながら、実際には客が出入りしているのだったら店舗営業になるのではないかという点がある。

これには、ここは店舗ではなくて、あくまでも事務所であって、事務所に人が出入りするのは普通ですよね、という弁明があった。

もうひとつ脱法とされているのが電話だった。
届出書に記載されている受付方法は《 電話 》となっている。
しかし実際は、対面接客で受付していて電話は使わない。

事務所では予約をするだけで、客が未成年者じゃないか確かめているだけで、受付しているのではないです、という弁明もあったが、いずれも客には全く関係ない話だった。

そうであっても、客に会員証を渡したときには、入室したときには店に電話することも伝えなければだった。

「では、お部屋に入ったら、この電話番号に、どこそこの何号室って伝えてください。そしたら女の子が向かいますので」
「はい、女の子って、どのくらいで・・・」
「5分ほどみてください」
「時間って・・・」
「ああ、女の子が入室してからです」
「はい、わかりました」

繰り返すが、客から店へ電話があった時点で受付としている。
しかし、入室してから電話を忘れてしまう客もいる。

ダーさんと連絡をとれば部屋番号はわかるが、あくまでも客からの電話が必要だった。
入室した客から電話があると、ほっとする気持ちがした。

「あの、料金って、これ以上かかるんですか?」
「いえ、かかりません」
「でも、45分って、女の子がきてからですよね?」
「はい、そうです」
「そうすると、部屋の延長料金がかかりますよね?」
「ああ、延長料金はサービス・・・、っていうか当店が後で払いにいきますので、お客さんには一切かかりません」
「ああ、わかりました」

レンタルルームで延長料金をとるなど、そんなセコいことは考えてもなかったが、もっともな質問だった。

レンタルルームと提携してると勘違いされてもいけないと「延長料金はサービス」も「後で当店が払いにいきます」に言い換えた。

質問ばかりしてくる客もいる。
個室内にある電話をつかったのだけど後で電話代の請求はいくらあるのか、までを気にする客もいる。

店が法令厳守するあまりに、予想以上に客が混乱しているのだ。

オープン初日には、オーナーがサービスチェックも兼ねて何人かの女の子に入って、受付の改善する点を確める予定でもあったが、混乱のためにそんな余裕はなかった。

オーナーも客からの電話を受けたり、代金やお釣りを財布に出し入れしたり、リストの丸印を塗りつぶす程度は手伝うこととなっていた。

以外に多いラブホテル利用

再オープンした初日には、予想してなかったことがあった。
ラブホテルでのプレイを望む客が5名ほどもいたのだ。

「お客さんのほうで自由に選んでくだい」というと「ラブホテルでもいいですか?」と訊いてくる。

レンタルルームに行くはずだったのに、目に付いたラブホテルに入る客もいる。

店から指定はできないし、断る理由もない。
客の自由に要望に沿って派遣するように、と届出の際には警察から注意はされてはいる。

客が待つラブホテルの室内に、どういって女の子を入室させればいいのかすらわからなかった。

デリヘル経験があるコハルが、ホテルのフロントで「○○号室で待ち合わせです」と声をかければ、向こうも風俗とわかったようにすんなりと入室できると教えてくれもした。

ラブホテルがいいという客は本番ができると勘違いしているのかと「当店、本番行為は禁止です」と注意書きを読み上げたりしたが、終わってみると女の子も何事もなく帰ってくる。

ただ単に、ラブホテルを好んでいるだけだったのだ。
休憩料金で5000円以上はするラブホテルを利用する客など、まずはいないだろうと見込んでいたのが大きく外れた。

歌舞伎町2丁目には、ラブホテルがざっと50件ほど。
それらを全く把握してなかった。

客からの入室の電話で、ホテル名と部屋番号を伝えられても、どこにあるのか咄嗟にわからない。
もちろん、客もどこなのか説明ができない。

ネットで場所を調べてから女の子を連れて向かうのだが、あっちだこっちだとなるものだった。

これはよくない。
手際の良さがないと、客もイラつくし、女の子もまごついてしまう。

ネットで調べるにしても、以外に最新情報に更新されてなかったりもしているので、正確さを欠いてもいた。

結局は、オーナーがメモ帳を片手に歌舞伎町2丁目を歩き回って、ラブホテルの略図を作ることになった。

後日にも歩き回るのを繰り返して、わかりやすいラブホテルマップを手書きで作成して、店の壁に張り出して皆で覚えるようにして、変更があれば書き加えて更新していくようになる。

ラブホテルからのクレーム

オープン2日目の早番。
裏口のドアの向こうから鉄階段を上がってくるヒールの音がする。

新しい店での初出勤となるトモミを、迎えにいった竹山が連れてきたのだった。
自分は気まずいような笑いをしたかもしれない。

トモミは何事もなかったかのように近況などを話して、竹山が元店舗の待機所に連れていった。

竹山によると、トモミは元店舗の入口で「ああ、涙がでそう」と目を拭っていたという。
泣きやすい体質の女の子だったのだ。

ダーさんから電話がきたのは、遅番になる頃だった。

「ちょっとまずいですよ。かなりの客が、地図とか会員証を最初にフロントで出してくるんですよ。わかってるでしょ?みたいな感じで。でもこっちは、45分ですか、60分ですかってくらいしか対応できないじゃないですか?そうすると、怒り出す客もいるし、・・・ええ、これ、ここだからいいけど、ほかのルームとか、もしホテルだったら、向こうも困るんじゃないですか?」

客が怒るというのは、ダーさんのぶっきらぼうな対応もあるのだろうけど、それを差し引いても、どうしようかと気になった。

ダーさんが言うとおりだった。
3日目になると、ラブホテルからのクレームの電話があった。

客からしてみれば、店から渡された略図に載っているラブホテルだから提携でもしてるのかな、とフロントに差し出していたのだった。

ラブホテルからのクレームは以下である。

「いま、手製の地図を見てるのですけど、ええ、当ホテルを利用されたお客様からフロント係に渡された地図です。これ、おたくが作ったものですか?ええ、そうです。これって、当ホテルが勝手に書かれてますよね?ええ、目印なのはわかってます。しかしですよ、ウチとおたくが提携をしてるって警察に勘違いされたらどうするんですか?今すぐにやめてください。もし、なにかありましたら、そのときは損害賠償請求をさせていただきます」

ラブホテル側も、風俗店と提携はしてはいけないと、かなり前から警察から指導されていると感じさせるクレームだった。

「すぐに改めます」と「すみませんでした」と謝って、自作の地図はやめた。

ネットの住宅地図を拡大してプリントして、必要な部分は手書きで客に渡すことにした。

すでに歌舞伎町には、この新形態の風俗店が20店舗近くあった。

「ほかの店は、どうやってんだろ」と、皆で交代して、チケセンで他店の割引チケットを手にして行ってもみた。

「部屋は、ここの○○号室にいってください」と、最初から指定して略図を渡す店もある。
「案内します」と同行して連れていく店もある。

レンタルルームに女の子の待機こそなかったものの、やはり提携感はでるものだった。

男子従業員不足

新しい従業員の西谷は、元居酒屋の店員だけあって接客が慣れている。
酔っ払い客へのちょっとした一言にもひねりがある。
適当そうな客には、爽やかな笑顔のまま念を押すこともできる。

POPなどもさっと書ける。
チケセンに張り出す『店長おすすめ!』のPOPなど、手際よく見栄えよく作成した。

リストも常に把握して、客付けもまんべんなくできる。
たぶん、自分よりも上達が早いのではないか。

西谷の出来のよさには救われたが、今の4人の従業員のままでは年末年始を乗り越えられない、という点も1週間も過ぎないうちにわかった。

手が足りない。
店舗型のときは、すべてが屋内で完結していたから4人で足りた。
受付型は、街路を走る必要も出てきた。

女の子とは、電話だけで連絡が済むのではなかった。
なにかと店と待機所とレンタルルームを行ったり来たりしなければならない。

客を受付したら、まずは準備の電話をする。
行き先の部屋がわかったら、もういちど電話するからそこに向かってね、ということだけのなのにスムーズにいかない。

客が混んでいるときに限って、ナナは準備の電話に出ないし折り返しもない。

客はもうレンタルルームに向かっている。
待機所に駆け込んでみると、プリペイド携帯を握ったまま爆睡している。

時間を押すことがないコハルですら、客が続いているのに電話に出ないときもある。

どこにいったと焦って探していると、レンタルルームを出たところのエントランスで、客と笑いあいながらおしゃべりしている。

せっかくのプリペイド携帯は、バイブになっている。

そんなことばかり繰り返して、なにかどうかして手が足りなくなるのだった。

店舗と無店舗の違い

待機が私服になると女の子も素が出てくるのか。
電話だと遠慮がなくなるのか。
店舗のときよりは、女の子が騒がしくなってきたのもある。

控え目なミサキでも、客が続くと「つかれたぁ」と電話の向こうで口を尖らせている。
今までなかったことだ。

様子を見るために、早いとこなだめるために、そんなときは待機所まで走らなければならない。

大人びて見えるマユミからは「転んでヒザすりむいた!」と拗ねるようにして電話がくる。
客が混んでいるときに限ってだ。

『ツバでもつけとけ!』と言いたいのをこらえて、コンビニまで走りバンドエイドを買い、ついでにポッキーなども買い待機所まで走ってみると、擦りむいたといっても傷ひとつない。

それでもバッグを持ってあげて、レンタルルームまで連れていく。
たった30メートルほど歩かせるだけで、これほど手間がかかるとは。

しっかり者で礼儀正しいミエコですら、入室してから「ローションわすれちゃったぁ!」と明るく電話がくる。
客が混んでいるときに限って。

そりゃ、うっかりもあるので『やる気あんのか!』と言いたいのをこらえて、走って届けにいく。

従順なサクラですら、雨がポツリとも降れば「カサがないよぅ」と呑気に電話がくる。

『ダッシュでもどれ!』と言いたいのをこらえて走って雨傘を持っていき、雨の文句をいいながら一緒に待機所に戻る。

で、走って店まで戻る。
くどいが、すべてが客が混んでいるときに限ってだ。

次はトモミが電話に出ない。
半分は心配して待機所まで走っていると、プリペをバイブにしたまま着信に気が付くことなくコンビニでおにぎりなど買っていて「おなかすいちゃって」と可愛げを出している。

シホだけだった。
相変わらず淡々とこなしていくのは。

これほど走り回ることになるとは予想してなかった。
西谷などは、常に走り回っている。

もう1人、早急に男子従業員が必要だった。

風俗店の利用規約

再オープンしてからの予想してなかったことのひとつに、女の子の頼もしさがあった。

当初に心配していた、受付型だと稼ぎが落ちるだの、面倒だの、本強が怖いだの、などという不満は以外にも出てこなかった。

客が待ってるとなると向かう。
そして何事もなく客と別れて、無事に帰ってくる。
客とのトラブルが続出すると思っていたのに、1週間たっても何事もなかった。

その1週間には、チケセンから「マンガ喫茶に派遣できますか?」という問い合わせが5回ほどあった。

店から歩いて2分以内としてる派遣エリアに、大型のマンガ喫茶もあるのだった。

それらのマンガ喫茶には、ペアシートが備えてある広めの個室がある。
個室といってもパーテーションのみで声は筒抜け。

レンタルルームではなくて、そこに派遣してる店が複数あったのだった。
もちろん、マンガ喫茶側は了承してないのは予想がついた。

手コキかゴムフェラのみのサービスだったが、チケセンでその手の店の割引チケットを目にしたときは、面白そうだと見入ってしまった。

周囲にバレないように手コキされるのも味わい深い。
けど、自分の店でやるとなると別問題だ。

届出の際には『お客さんの自由な要望に沿って派遣すること』とは警察から念を押されてはいるが、レンタルルームとホテル以外の場所に、女の子の派遣を望む客も今後はいるのかもしれない。

無制限に派遣していたら収拾がつかなくなってしまう。
当たり前のことに、今になって気がついた。

風俗といえども、ほとんどの女の子は真面目なので、店が「ここに」と言えば向かうだろうけど、やはり場所の制限は必要だった。

無届のレンタルルームも、3件ほど登場していた。
インターネットルームという名称となっている。

広めの個室には、机とパソコンが設置されていて、ユニットシャワーがあり、ソファーベッドが置いてあり、もちろん利用しているのは風俗客ばかりだった。

プレイするには問題ないが、これは派遣してもいいのか?

ネットでデリヘルの利用規約を調べて、参考にして、自店用の利用規約を作成して、派遣先はシャワー設備がある個室のみとした。

無届のレンタルルームはシャワー設備があるが、とばっちりがきてもいけないので、案内のリストからは外した。

1ヵ月ほど経つと、マンガ喫茶側からクレームがきたらしい。

マンガ喫茶へ派遣する風俗店はなくなって、その頃には客のほうも新形態に慣れてきたようだった。

– 2023.03.05 up –