釈放日の感想を一言でいえば?


摘発されたあとの店の状況

風林会館の交差点の『野郎寿司』へ向かった。
歌舞伎町の音のボリュームが、一気に大きくなりはじめる夏の時間だった。

そういう中で飲む酒はなおさらのこと。
全く食べてなかった生モノが、とびきり旨い。

タバコの本数が減っていた村井の血色が良くなりすぎて、逆に気持ちが悪いと皆で笑う。

摘発で壊された店の後片付けを小泉が泣きながらしていた、という竹山の暴露も笑い話となった。

その摘発のときに、逃れようとして必死になっていた竹山のモノマネを村井がして皆で笑う。

自分も今朝の留置場で夢精しかけたと、・・・もちろん夢の内容は伏せてだが、この年で夢精しかけたとささやかな自虐することで皆と笑った。

特上にぎりを頼んだのにイクラが入ってない。
「ほんと、野郎寿司は軽いぼったくりですね」と言いながら、オーナーはイクラ20貫とウニ20貫とどんどん注文し、皆もここぞとばかり食べる。

下品な会話には、ガツガツした食べ方が旨く感じられる。
ビールから日本酒に切り替えた。

で、在籍していた女の子である。
竹山が言いずらそうに「在籍だった女の子とは半数ほど連絡がつかなくて・・・」と明かす。

店が潰れたとなると、女の子たちはさっさと見切るのだった。
それでも半数とは連絡がついているんだ。
上出来だ。

トモミとも連絡がついていて、しばらくは通学の他にはバイトもなにもしないが、また店が再オープンするときには出ると言っているとのこと。

女の子は逞しい。
あれだけ摘発のときは泣いていたのに、もう風俗はやりませんと事情聴取でも言っていたらしいのに、後はけろっとして心が強大になっていく。

シホとも連絡がついていて、店が再オープンしてから決めます、と淡々としていたとのこと。

ミサキはコンビニでバイトをしていて、こちらも再オープンしてから決めますとのこと。

ナナは立川の性感ヘルスまで通っている。

マユミとミエコは、まだどうなるかわからず。
この2人はヒモの男次第だろうから、島田に店に戻るように頼まなくてはならない。

サクラだけには、再オープンで出勤しなければ、勤め先まで全員で迎えにいくと厳として言い渡してある。

いずれにしても女の子にとっては、法律がどうのこうのは、こちらが考えているほど気にしてない様子ではある。

『だから、わたしはどうなるの?』との1点が関心事で、それに応えるためにも再オープンは早めのほうがいい。

が、今はメシが優先だ。
生牡蠣の皿が、刺身盛り合わせの皿が、きらきらと輝いていた。

釈放されたあとの酒

腹もいっぱいになってきた。
酔ってトロ目になった竹山は、口元に酢飯をだらしがなく付けてオーナーに言う。

「これから、おっぱいパブはどうですか?」
「おっしゃ!」

小泉が軽くガッツポーズをしている。
が、酔うと顔を真っ赤にしてうとうとするのが常の村井が「実は彼女がついていくときかずに、今もあずま通りのルノアールで待っていて・・・」と口ごもった。
ゆうに4時間以上も待っていることになる。

その彼女は摘発の日に、村井と連絡が取れないと店に電話をかけてきて、逮捕を知るとどこの警察署にいるのかと泣きながら訊いてきたと席上で話したばかりだった。

なんでそれを言わないんですか、彼女さんがかわいそうだ、と皆がおっパブを遠慮した。

村井の彼女には誰も会ったことがなかったので、この機に見てみたいというのもあったのか。

今まで心配していたのだろうから元気づけてやろう、挨拶もしなければならないし、店を代えて彼女さんも交えて飲みましょう、とオーナーが言うのに皆が頷いた。
村井は気が進まない様子だったが、とりあえず野郎寿司を出た。

夏の夜だった。
風林会館の前は、すっかりと酔っ払いとキャッチが多くなっている。

渋々といったように村井は電話をしたのだったが、短く会話は終り、困ったような顔をしている。

連絡を受けた彼女は、すぐに姿を見せた。
花道通りの人混みの中でも、その女性が彼女だとはすぐにわかった。

少しヤンキーチックだったのもあるが、明らかに気が立っているのが離れていても伝わってきた。
手をグーに握りしめて、ずんずんと肩で人をかき分けて、大股で一直線に向かってくる彼女は、これから人を殴るときの歩き方をしている。

それは長い時間を待たされたからではなく、こちらのお誘いが不快に感じたらしいのも伝わってくる。

酒で緩んでいた皆の顔が引き締まった。
摘発の日、帰ってこない村井を心配して店に電話をかけてきて、逮捕を知ってからはしくしくと泣いていたというので、おしとやかで弱々しい彼女を全員とも想像していたのだったが、どうやら違っていたようだ。

慌てた顔をした村井が駆け出したあとは、なにやら2人で言い合いをしている。
言い合いの途中で、村井を背に立ちはだかるようにして彼女はこちらと向き合った。

皆が無言のままオーナーを向いた。
オーナーは丁寧にお誘いを述べると、彼女も丁寧ではあるが敵意を抑えきれないようにして応じてきた。

「いつもお世話になってます。・・・ええ、せっかくですけど、けっこうです。今日はこれで帰りますので。いいえ、けっこうです。・・・ええ、ありがとうございます。お気持ちだけで十分ですので。・・・いえ、本人も疲れているので。・・・はい?ですからいいです!いりません!もう帰りますので!それでは失礼します!」

すごいすごい。
人間の女性と話しているというより、メスライオンに牙を剥かれて威嚇されているようだ。
彼女からしてみれば、自分らは敵なのだと思い知った。

腕を引かれて連れていかれる村井が振り向いて「すみません!また今度!電話します!」というと、彼女もキッと振り向いて「もう、わたしたちは2人でやってくんで!」との怒声を残して、人混みの向こうに去っていった。

状況はどうであっても、女性から盛大に嫌われるというのは、少なからず気分が盛り下がるものだった。

だったらおっぱいパブにいこうとはならずに、誰かがなにかを言うのを待つ時間が経った。

店の女の子には厳しく接する村井が、彼女には頭が上がらないといった以外な姿に自分もつられたのかもしれない。

「実は彼女が待っていて・・・」と切り出した。
隠していたわけではないが、今まで彼女がいるとは明かしたことがなかった。

オーナーも竹山も小泉も驚いていろいろ訊かれたが、ひと回り以上の年上の子持ち熟女がその彼女だと明かしてしまえば余計にややこしくなる。

自分が余程のテクニシャンか、巨根の持ち主か、でなければ好きもの熟女なのかと想像されるだけだ。

毎日あれだけ女の話ばかり繰り返していたのに、やはり智子は話の種にはできないものだった。

「ちんちくりんの女だけど体だけはよくって」とごまかしたのは、決してご機嫌取りに帰るのではないと虚勢を張ろうとしたあがきだった。

主賓の2人がいなくなるので「じゃ、今日はこのあたりで・・・」とオーナーが言い、近々に続きをしようと散会となった。

釈放後になんといって声をかけて欲しかったのか?

風林会館の交差点から、元電車道を歩きながら智子に電話する。
もう自宅にいるという。

裁判所から郵送された勾留通知で、逮捕されて新宿警察署の留置場にいることを智子は知るのだけど、お互いに2度目の経験だからか、さほど心配してなかった様子。

もし逮捕されても22日で出てくるから心配いらない、とは事前に言いきかせてもいた。

しかし「接見禁止だから差入もダメだとおもっていたの。ごめんなさいね」などという電話でのあっさりとした態度に、本音は不満だった。

もっと心配されたいのだった。
智子に限っては。
智子には泣くくらい心配されたかった。
智子だけには取り乱すほど心配してほかった。

「もうすぐ着くから」と電話を切る。
もう、西向天神社の石段だった。

酔いは回ってない。
足元は軽い。
ビールのあとは日本酒を6合は飲んだのに、目が冴えてきてもいる。
この酔いはなんだろうと石段を昇った。

ドアを開けると、智子は「おかえりなさい」と掃除用品のコロコロを手にして姿を見せて「あらっ」と角刈りに驚く。

「つかれたでしょ?」とニコと笑んで「もう、なにか食べなくていいの?」と優しく様子をうかがっている。

安穏とした振る舞いに「これで、明日、メシ食べにいこう」と、100万円の慰労金を収めてある長財布を投げ放った。

ベッドまで手を引く。
「どうしたの?」と白々しくいうのを突き倒した。
「ちょっと・・・」と体を捩らせるのに覆いかぶさり、髪とブラウスの匂いを嗅ぎまわった。

膝丈スカートを捲る。
「ヤダァァ」とわざとらしく抵抗する手を跳ね除けて唇を吸い、パンティーに手先を入れて股間に指を這わせると、もう濡れている。

パンティーを下ろして膝を割った。
無言のまま、まずは挿入した。

ゆっくりと勃起を動かして、膣肉のネトネトになじませながらブラウスもブラジャーもスカートも剥ぎ取って、ベッドの下に放り投げた。

脚をかかえ上げて、もう一方の手は肩を抱き込んで腰を打ちつけた。
フンッと短く息を吐いて、こちこちになってる勃起で突き上げる。
肉音がパンッと響く。

さんざんと突き立てて、1回目の射精を迎える。
智子のお腹の上で、精液を飛び散らせた。
先端は首元まで達していた。

脈動が終わってからは、すぐに挿入した。

そうして、2回目の射精をしたのに、依然として勃起は治まらない。
昼間の大塚の熟女ピンサロでの射精とは違う感覚がある。

張り詰めていた神経が解かれて

3回目は射精感はあるのだが、智子のおなかの上には精液は垂れ落ちる程しか出てない。
でも、勃起の硬度も角度も減じてない。

「もう・・・、できない・・・」と大きく息をつきながら、脚をたたんで体をくるりと横に向けた智子だったが、無言のまま腕を取り仰向けに引き寄せた。

40代の熟女
釈放日は勃起がおさまらなかった

また乱暴に脚を開いて、腰を押し進めて、さらに突き立てた。

4回目の射精感を中出しでやり過ごして、挿入したまま5回目の打ち込みがはじまる。

智子は歯を食いしばって、気持ちがいいのか苦しいのかわからない表情をしてから「もう、ゆるして・・・」と呟いた。

一方的に乱雑に扱われているのは、無言のまま責めているように勃起で打たれるのは、差入れをしなかったことを溜まっていた性欲で咎められていると思っているようだ。

頬を紅潮させて「ねえ、もう、ゆるして・・・」と、3度ほど掠れた声で訴えた。

しかし、許すも許さないもなかった。
強く打ち付けているのは、咎めているのではない。
かといって、溜まっていた性欲を解消しているのでもないし、性感が刺激されて勃起が続いているのでもない。
胸の呼吸は落ち着いている。

ひどい凝りのようなもの、酒を飲んでもとれなかった体内の凝りが、射精の度にほぐれていく感覚があった。
もっと射精をしたかった。

勃起は性的興奮からくるだけではないと、この夜、自分ははっきりと知った。

身体が自由になったことで、張り詰めていた神経が解かれて、固まっていた筋肉が緩んで、余った血液が逆流している。

いちばんに固まっていた筋肉が、たぶん背筋とケツ筋あたりが、血液の流れを調節しようと海綿体に送りこんできている。
だから勃起が治まらない。

また射精感がきた。
抱き込まれた智子は「ダメェェッ」と声を詰めて、中出しの脈動で「ウゥゥッッ」と首を激しく振ってからは「もう・・・、死んじゃう・・・」と声を絞り出した。

薄く目を閉じてからは、かくんとして動かなくなってしまった。

内部から沸いてきている何かがある

微かに息はしてるだけの体を、勃起はまだ打ちたがっている。
今度はバックでしようと勃起を抜いた。

うつ伏せに転がそうと体に手をかけたとき、脱力のまま「ンン・・・」という呻き声をした智子がオシッコを洩らしているのに気がついた。
大股開きにすると、オシッコは小さく弧を描いている。

すべて排出させてシーツを丸めて拭きとってからは、うつ伏せに転がして、お尻を抱え上げて人形みたいに突き出しにして、治まらない勃起を挿入した。

丸いお尻の尻肉を鷲掴みにして、黙々と突き抜いた。
凝りは大分ほぐれてきてきたが、まだ射精が必要だった。

また仰向けに。
頭や背中や太腿を抱きかかえて乱打し続けた。
智子は寝息のような呼吸をして打たれるまま。

ときどき「アアッ・・・」と甘い声を洩らしてしがみついてきたり、また突然に「アアアッ」とするどい悲鳴をあげて背中に爪を立ててきたり、鞭で打たれたように「ウウウッ」とのけぞって呻いたり。

それらが済むとかくんと脱力して、言葉なく打たれるままとなっている。

胸の呼吸は落ち着いたままで、まだ勃起は収まらない。
何回も射精しているのに疲労感はこない。
逆に、なにかのパワー沸いてきているのを感じる。

女とか裸とか性欲とか気持ちいいなどとは無関係に、そのパワーが血液を送り込んで勃起させている。

また四つん這いにしてお尻を鷲掴みにして、さんざんと打ち抜いてからは、また仰向けにして打ちつけ続けた。

射精感は浅くなって、さらに3回は繰り返しているが、勃起はまだ治まらない。

外部からの刺激で勃起しているのではない。
内部の奥のほうから沸いてくるパワーが勃起を継続させている。

逮捕から釈放までの感想を一言で

ただ黙々と智子を抱いていると、やがて朝の気配が。

激しく突き上げて、浅い射精感を済ませてから勃起を抜いて、なすがままの体を捨てるようにベッドの上に放した。
智子はわずかに呻いて、口元を弛めたまま脱力している。

ベッドから下りて、カーテンを広げて窓を開けた。

明け方の空には薄い青が混じっている。
夏の朝の匂いを嗅いで、となりの住宅の向こうに見える樹の緑を見た。

凝り固まっていた血流はほぐれたようだが、勃起は続いている。

射精を繰り返したのに疲労感もなく、さんざん酒も飲んだのに、起きてから24時間が経とうとしてるのに眠くもない。

朝の匂いを嗅ぐ胸の呼吸はゆっくりと深くて、指を握りこむと力が入って、胸の呼吸はもっと大きくなった。
内部の奥から、どくどくと沸いてくるものがある。

この治まりきらない挙動はなんだろう?
内心の意思というものに関係あるのか?

良心をかき分けて、悪事を押しのけて、理由などは突き飛ばして、意味なども踏んづけて、なにやら叫びながら飛び出そうとしている。

少しの粗暴さがあって、損得を外れていて、その行為のためとしか説明がつかない挙動。
限りある自身を、どこまでも確かめようとする衝動。

これは生命力とも呼ぶのだろうか?

逮捕から釈放までの日記は、ここで終わっている。

– 2021.9.2 up –